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iPad用キーボードの有力候補か? 「Universal Mobile Keyboard」発売記念レビューマルチOS対応モバイルキーボード(2/2 ページ)

日本マイクロソフトが3月6日から販売するタブレット向けモバイルキーボード「Universal Mobile Keyboard」を試用してみた。

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Air 2用モバイルキーボードの有力候補か?

 実際に数日間持ち歩いて試用してみたが、まずメリットとして、デバイスごとにペアリングし直さなくていいというのは確かに楽。WindowsタブレットとiPad Air 2を使い分けるときにスイッチでカチっと切り替えられるので待たされない。マルチOSに対応したBluetoohキーボードの中には最大9台までペアリングを保持できるものもあるが、大量のモバイルデバイスを同時に携帯する機会は考えづらく、3台というのは十分な数だろう(そもそも今回はレビューために2台のタブレットを持ち歩いたが、普段はスマートフォンとタブレットの2台)。

 一方、残念なのは見た目の印象よりもやや重量がある点。公称で約365グラム、実測で約375グラムほどあり、例えば、iPad Air 2(Wi-Fi+Cellularモデル)の約444グラムとあわせると800グラムを超えてしまう。最軽量クラスのクラムシェルノートに近い重さだ。

 これはおそらくスタンドになるカバー部分の安定感を増すためだろう。キーボードとカバーは磁力で着脱できる構造になっており、分離すればタブレットをやや離れたところに立てかけられる。カバー側の外装がラバー仕上げになっていることもあり、10型クラスの大きなタブレットを立てかけてもぐらついたりしないので安心感はあるが、やはりモバイルキーボードとしては少し重い。なお、カバーを外した状態なら約220グラムと大幅に軽くなるので、タブレット側でスタンドとしても使える折りたたみケースを使っている場合は、キーボード部分のみ持ち歩くというのも手かもしれない。

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本体サイズは約242(幅)×109(奥行き)×12(高さ)ミリ。ポメラ「DM100」(写真下)よりも一回り小さく、カバンに入れてもかさばらないサイズ
本体重量は実測値で約375グラム、キーボード部のみなら約220グラム
カバーは着脱可能で、磁力で吸着するタイプ。キーボード側に3.7ボルト/300ミリアンペアアワーのリチウムイオンバッテリーを内蔵し、1回の充電で約6カ月利用できる

 キーボードは、主要キーのピッチが実測で約16ミリ、キートップのサイズが約14ミリ正方のアイソレーションタイプで、モバイルPCでの入力に慣れている人であればそれほど窮屈には感じないはずだ(「け」「む」はキートップのサイズが12.5ミリ×14ミリでピッチは約15.5ミリ)。ストロークもタブレットカバーと一体化されたものよりはストロークが深く、適度なクリック感があり打ちやすい。

 ただ、DeleteキーやHome/End/PgUp/PaDnは、Fnキーとの組み合わせで実現しており、Fnキーが下段左ではなく、右寄りにあるためやや打ちづらい。また、キーボード奥にタブレットを設置するための溝を収納するくぼみがある関係から、ファンクションキーが省かれ、数字キーも縦のサイズが約9ミリに狭められている。その代わりに音量調節やメディアコントロールの専用ボタンが並んでいるのだが、そうしたボタンを用意するくらいなら配置を工夫してファンクションキーを搭載して欲しかった。

 Universal Mobile Keyboardの幅は約242ミリで、iPad Air 2を横置きにした際の240ミリとほぼ一致する(カバー側の突起のちょうど内側に入るくらいぴったり)。同社によれば、Office for iOSを使うためのキーボードが欲しいという要望が多数あったとしており、おそらく開発段階でメインターゲットにしたのはiPad Air 2だろう。キーバインドを見てもそうした印象を受ける。iOS搭載デバイス向けのモバイルキーボードを探している人は、Windowsキーの刻印がないマイクロソフト製キーボード「Universal Mobile Keyboard」が有力候補になるはずだ。

 ちなみに、米Microsoftはバルセロナで開催されたMWC 2015(Mobile World Congress 2015)において、Universal Mobile Keyboardと同じマルチOS対応の折りたたみ式キーボードを披露している。普段持ち歩いているタブレットに、iPadのSmart Coverのような、それ自体がスタンドとして機能するカバーを装着しているのであればこちらも注目。ただ、北米での発売が7月ということなので国内向けモデルの早めの投入を期待したい。

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