即戦力の「ビジネスインクジェットプリンタ」を選んでみた(複合機編):SOHO/中小企業に効く「ビジネスインクジェット」の選び方(第3回)(2/2 ページ)
本体が低価格で省電力などの利点が評価され、近年法人でのシェアを伸ばしつつあるビジネスインクジェットプリンタ。その選び方を提案する本連載の第3回は、複合機のおすすめ製品を紹介しよう。
A3対応モデルのおすすめは?
続いて、A3対応の製品について見ていこう。先ほど紹介したメーカーのうち、キヤノンのMAXIFYはA3対応モデルを用意していないため、選択肢はエプソンかブラザーになる。最上位には実売20万円を超える製品も存在するが、今回は10万円以下の製品に絞った。実際はほぼすべてのモデルが5万円以内で購入できるだろう。A3対応モデルはボディが大きくなるため、気になる場合は実機のサイズや重量を店頭などで確認しておきたい。
エプソンの「PX-1700F」(実売3万円台後半)は、印刷速度がカラー約8ページ/分、モノクロ約15ページ/分と、必ずしも高速とは言えないものの、ランニングコストはカラー約7.0円、モノクロ約2.4円と、最上位モデルと比べても遜色のない、バランスの取れた製品だ。給紙枚数も最大500枚と多く、ADFも両面対応であるなど、実用性や使い勝手の面でも充実している。手差し給紙に対応していないこと、また耐久枚数が6万枚と少なめなのが少々気にかかるくらいだろうか。
エプソンの「PX-M5040F」は実売4万円台半ばで、印刷速度はカラー約10ページ/分、モノクロ約18ページ/分、ランニングコストはカラー約7.2円、モノクロ約2.4円と、前述のPX-1700Fと比べて一長一短といったところ。ただし、背面手差しに対応しているため、はがきや封筒の印刷も行えるなど汎用性(はんようせい)は高い。
給紙容量は最大251枚と標準的だが、兄弟機の「PX-M5041F」(実売5万円強)は最大501枚まで対応しているので、こちらを選ぶのもアリだ。
2段のトレイに加えて、封筒やはがきをセットできる多目的トレイを備え、両面同時スキャンにも対応したのがブラザーの「MFC-J5720CDW」だ。A4対応製品の項で紹介した同社のMFC-J4720NとDCP-J4220NはA3印刷が手差しのみだったが、こちらはトレイに最大500枚のA3用紙をまとめて給紙できるので、A3を印刷するための専用機としての導入にも適している。
印刷速度はカラー約20ページ/分、モノクロ約22ページ/分と速く、またランニングコストもカラー約6.1円、モノクロ約1.4円と安い。ただし他製品と異なりスキャン可能サイズがA4までとやや特殊である点には留意したい。そのぶん、A3対応スキャナを備えた機種よりもボディがコンパクトで、実売価格は3万円台後半におさまる。
これをベースとして、給紙トレイが1段のみで両面スキャンには非対応の「MFC-J5620CDW」(実売3万円弱)や、それにコードレス電話が付属する「MFC-J5820DN」(実売3万円前半)も販売中だ。
ブラザーの「MFC-J6970CDW」は、同社のA3対応ビジネスインクジェット複合機では最上位となるモデルで、前述のMFC-J5720CDWでは対応しないA3の両面スキャンにも対応する。ランニングコストはカラー約6.3円、モノクロ約1.4円とほぼ同等、印刷速度も同等なので、主にA3スキャンの有無と、本製品は搭載しない多目的トレイの必要性をもって判断することになる。実売価格は4万円強におさまっている。
このほか、同じくA3スキャンに対応しつつ、トレイが1段のみ、両面スキャンには非対応の下位モデル「MFC-J6570CDW」(実売2万円台後半)も用意している。
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