レビュー

最新ルータ「AtermWG1200HP」の“グッと進化した”中継機能に注目するデュアルバンド中継の実力に驚け(1/4 ページ)

前回は「WG1200HP」の基本スペックや新機能をチェックした。今回は注目の「Wi-Fiデュアルバンド中継機能」の使い勝手とパフォーマンスを探っていく。

「あと少し」を何とかしたい家庭内無線LANで「WG1200HP」を導入する

 NECプラットフォームズから登場した「AtermWG1200HP」(以下、WG1200HP)は、無線LAN部分の基本スペックは2014年に登場した上位モデル「AtermWG1400HP」に相当し(ただし、IEEE802.11nの下り最大速度は300Mbps)、有線LANがWAN/LAN側ともギガビット対応になったモデルだ。

 先日掲載したWG1200HPのレビューでは、上位モデル相当の機能を収めたコンパクトサイズのボディや、設定を支援するユーティリティ、そして、無線LAN中継機能として拡張した「Wi-Fiデュアルバンド中継機能」をチェックした。

上位モデル相当の無線LAN機能と拡張したWi-Fiデュアルバンド中継機能をコンパクトなボディに収納した「AtermWG1200HP」。税別の実売価格は単体モデルが1万円弱、2台セットにした「AtermWG1200HP イーサネットコンバータセット」が1万9000円弱

 今回の検証では、既存の無線LAN環境にWG1200HPを導入して、どれだけ通信速度が改善するかチェックしてみよう。測定に使った住居は知人が住む4LDK(ただし、一部屋は納戸として利用)のマンションだ。インターネット回線の引込口の位置と複数の部屋をまたがるLANケーブルの配線は避けたいという美感的事情から、無線LANの親機は隅の部屋(部屋A)に設置している。正反対に位置する部屋(部屋B)では無線LANがほぼ届かない空間ができている。ここ以外もバスルームに無線LANが届かない。

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 ノートPCを用いた無線LANの実効通信速度は、「LAN Speed Test」(有償版)を、スマートフォンを用いた無線LANの実効速度は「WiFi Speed Test」を用い、無線LAN親機にギガビット有線LANで接続したPCとの通信速度を計測している。また、どちらの場合でも通信速度が安定するまで一定時間の計測を行い、その平均値を評価している。無線LANの親機は5年ほど前に購入した2.4GHz帯専用のIEEE802.11n対応の製品だ。なお、マンションなので隣接する世帯などから届いてしまう電波も多い。

測定した住居のレイアウト。無線LAN親機は右上の部屋の隅に設置している
部屋Bでの2.4GHz帯の無線LANの電波状況。近隣からの“漏れ電波”が極端に多いわけではないが、接続しようと思えば接続できてしまう強度の電波が多いのも問題だ

 無線LAN環境でまず改善したいのが無線LAN親機を置いている部屋の正反対、レイアウト図で左下にある部屋(部屋B)の無線LAN接続だ。ノートPCの内蔵無線LANでは窓寄りの机の上でギリギリ無線LAN親機に接続してインターネットが利用できるが、LAN上の実効通信速度を計測すると受信7Mbps、送信5Mbps程度なのでメール送受信やWebブラウジングなら困ることはない。ただし、ときおりパケットが流れなくなるなど不安定だ。

 スマートフォンでは無線LAN親機を見つけることはできるものの、接続ができなかったり接続できてもパケットがほとんど流れなかったりする。実はこの部屋の中で移動するとスマートフォンでも実通信速度が2~30Mbpsと安定して使える場所もあるなど、数メートルほど位置を変えるだけで無線LAN通信環境が極端に変化する。

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