サンディスク、「Fusion ioMemory SX350」の優位性をアピール:ただのSSDとは違うのだよ
2014年に買収したFusion-ioが独自に開発したソフトウェアによるアクセラレータ技術のアドバンテージを日本の関係者に説明した。
サンディスク製NANDの全面採用で容量あたり価格を大幅に削減
サンディスクは、5月11日に企業向けのPCI Exprss接続フラッシュストレージ「Fusion ioMemory SX350」(以下 SX350)を日本で発表した。出荷開始は6月1日からの予定だ。サンディスク製のNANDフラッシュメモリと、Fusion ioが独自開発のVSL(Virtual Storage Layer)データアクセスアクセラレーションソフトウェアとの組み合わせを採用する。法人向け製品であるため、具体的な価格は公開していないが、サンディスクの説明では従来モデルのFusion ioMemory ioDrive 2と比べて容量あたりの単価で最大61%の削減を実現したという。
発表当日に行った製品説明会では、サンディスク エンタープライズセールス ディレクターの奥村英記氏が、企業向けストレージビジネスの概況とこれからの戦略について紹介した。
奥村氏は、サンディスクのストレージビジネスが売り上げ構成で個人向けリテールが33%、企業向けが67%で、「サンディスクはエンタープライズ向けの企業であると認識して欲しい」と発言。その企業向けラインアップでは、インタフェース別にSerial ATA2種(大容量シリーズと高信頼性シリーズ)、SAS、そして、PCI Expressと4種類に集約して展開していることを紹介した。
さらに、企業向けSSDのインタフェース別市場推移では、2012年から2018年の年平均成長率予想において、PCI Express接続タイプが金額ベースで18%、ユニット数ベースで40%と急速に拡大することから、このインタフェースに対応するラインアップ重視していくと語った。
サンディスク コマーシャルビジネスマーケティング シニアマネージャーの山本哲也氏は、SX350の概要を紹介した。山本氏は、SX350の特徴として「高パフォーマンス」「大容量」「優れた信頼性」を挙げる。高パフォーマンスの指標として、最大350000/385000 IOPSのランダムRead/ランダムWriteとWriteレイテンシ15マイクロ秒、そして、Read帯域幅2.8Gバイト/秒を掲げる。大容量では、最大6.5Gバイトのモデル(SX350-6400)を用意し、信頼性では、UBER(訂正不可能なビットエラー発生率)が10のマイナス20乗であることと、自己データ保護機能のセルフヒーリング、パワーカットセーフ機能の対応などを紹介した。
山本氏は、Fusion-io(現在はサンディスクに買収)が独自に開発して、Fusion ioMemoryシリーズの特徴でもある「PCI Expressアプリケーションアクセラレータ」のアドバンテージについても従来のSSDとの比較で解説している。PCI Expressアプリケーションアクセラレータでは、フラッシュメモリをDRAMのように実装するため、データアクセスは高速なDMAを利用できる。これによって、高いデータ転送レートと低いレイテンシを実現しているという。
ただし、この技術をソフトウェアで実現しているため、SX350を実装したシステムが搭載するCPUの処理能力の影響を受ける。サンディスクでは、従来モデルのFusion ioMemory ioDrive2とSX350を比較した帯域幅とRead IOPSを示したが、それぞれのシステムで搭載するCPUが異なるため、まったく同じ条件における性能差ではないことに注意する必要がある(サンディスクの技術者は「それほど大きく値が変わるわけではない」と述べている)。なお、山本氏は、SX350の容量あたりのコスト(価格)が大きく削減できた理由として、NANDフラッシュメモリをサンディスク製(東芝四日市工場製)を採用したことを挙げている。
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