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小さくても速い!! コンパクトゲーミングPC「G-GEAR mini」の実力を試すハイエンド構成にも対応(2/2 ページ)

マザーボードの機能集約化が進むにつれ、コンパクトなmini-ITXマザーボードでも、ゲームPCとして利用できる実力を持つようになってきた。そんなmini-ITXフォームファクタのシステムに高性能なグラフィックスを搭載したゲーミングPCが登場。「G-GEAR mini」を紹介しよう。

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ゲーミングPCとして必要な性能を確保

 ここまでに紹介できなかった部分のシステム構成について紹介しよう。CPUには、クアッドコアを搭載したIntel Core i5-4460を採用している。キャッシュは6Mバイトで、動作クロックは定格で3.2GHz、ターボーブースト時には3.4GHzで動作。ゲーム用としても十分な性能を持つコストパフォーマンスが高いCPUだ。

 BTOメニューからCore i5-4690K/4690などのより高速なCPUを選択することもできる。さらに高性能なCore i7などを選ぶ場合は、ベースモデルから変更する必要がある。メモリは信頼性で定評のあるSanMax製のDDR3-1600。使用品では4Gバイトメモリが2枚で計8Gバイトという構成だ。BTOメニューでは16Gバイトまで増設できる。

搭載されているCPUはIntel Core i5-4460。Hyper-threadingに対応していないミドルレンジクラスのCPUだが、定格で3.2GHz、Turbo Boost時3.4GHzと動作クロックは比較的高い部類に入る。キャッシュも6Mバイトある

 ゲーミングPCとして重要なポイントとなるグラフィックスカードは、GeForce GTX 950(メモリ2Gバイト)となっている。試用機はZOTAC製のものが使用されていた。こちらもBTOメニューからGeForce GTX 960やGeForce GTX 970、GeForce GTX 980TiなどのNVIDIA系だけでなく、RADEON R7 370やRADEON R9 280XといったAMD系も選択することができる。ストレージはHDDが1台のみ搭載されている。テスト機では東芝製のDT01ABA100Vが搭載されていた。

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ベースモデルのGI7J-B63/Eは、標準でGeForce GTX 750が搭載されるが、今回の試用機ではミドルレンジクラスのCPUであるGeForce GTX 950が搭載されていた。MaxwellアーキテクチャのGPUコア「GM206」を採用した製品で、GPUベースクロックは1089MHz、ブースト時は1266MHzで動作する
試用機に搭載されていたのはZOTAC製のGeForce GTX 950。173ミリのショートモデルでファンはシングル仕様

 続いてベンチマークテストで実際のパフォーマンスを確認してみる。テスト内容はCPU性能を測る「CINEBENCH R15」、PCの総合性能を計測する「PCMark 8」、「PCMark 7」、グラフィックス性能を見る「3DMark」、ストレージの性能を見る「CrystalDiskMark」、ゲームベンチ「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルドベンチマーク」である。今回の評価機ではWindows 7 Home Premiumがプリインストールされていたので、Windowsエクスペリエンス インデックスについても掲載しておこう。

Windows 7のエクスペリエンスインデックスのスコア。搭載ストレージがHDDであることから、ストレージの項目が5.9と低くなっている。グラフィックス回りは上限値の7.9、プロセッサとメモリも上限値に近い好成績を出している

 次にCINEBENCH R15の結果を見てみよう。成績はCPUで488(cb)、シングルコア時で134(cb)となった。結果はミドルレンジクラスのIntel Core i5-4460としては妥当なもの。CPU性能を必要とするゲームやアプリケーションを使用する場合は、BTOメニューからより上位のCPUを選ぶとよいだろう。ただし、上位CPUを選択する場合は、電源の強化やより冷却能力の高いCPUクーラーなどの交換についても検討しておく必要はある。

CINEBENCH R15のスコア

 3D性能を見るときの参考になるのが3DMarkだ。試用機ではGeForce GTX 950を搭載しており、Fire Strikeが5328、Sky Diverが15846、Cloud Gateが15266、Ice Stormが123143とまずまずの結果となった。4K解像度での高画質プレイなどを求めなければ、性能不足を感じることは少ないだろう。

3DMarkのスコア。負荷の高いテストでも十分な描画性能を持っていることが分かる

 ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド・ベンチマークの結果も順当なものだ。「最高品質(解像度1920×1080ドット)」という高解像度設定でも6168で「とても快適」という好スコアを出している。

ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド・ベンチマークの結果のテスト結果

 一般的に利用するアプリケーションの挙動を通してシステムの総合性能を見るPC Mark 8を結果をチェックする。結果はHomeが4366、Creativeが4458、Workが4578、システム側Storageが2287となった。PCMark 7のオーバーオールは3277となっている。体感でも感じることだが、全体的にストレージの遅さが足を引っ張っている印象だ。システム側にSSDドライブを追加すると全体のパフォーマンスは大きく変わるだろう。

PCMark 8のスコア。左からHome、Creative、Work、Storageの結果
PCMark 7のスコア

 CrystalDiskMarkでストレージ性能も見てみよう。前述したように本製品ではシステム側に東芝製のDT01ABA100Vが搭載されている。この製品は容量が1Tバイトで、回転速度は5700rpmのモデルだ。HDDとしてもそれほど高速とはいえないため、画面の通りテスト結果はそれなり。SSDと比べるとやはり厳しい。ただ、ゲームはストレージ容量を必要とするものが多いので、高速だが容量の小さいSSDを推奨しにくい面もある。そうなるとシステム用にSSD、データ用にHDDという組み合わせを選んだほうが使い勝手はよいだろう。

CrystalDiskMark 5.0.2のベンチマーク結果

 最後に高負荷時の動作音についても触れておく。本製品の場合、搭載されているCPUクーラーがIntelのリテール品だったため、ファンノイズがどうなるのか気になっていた。3DMark測定中に騒音計で計測したところ、アイドル時は34.8デシベル、3DMarkを動作時は40.8デシベルという結果になった。暗騒音時の33デシベルと比べると完全な静音という訳にはいかないが、PCMarkや3DMark系などの高負荷系ベンチでも我慢できないほどの騒音ではなかった。

 加えて、3DMark計測時に消費電力も計測した。アイドル時の消費電力は42.8ワット、3DMark計測時の最大消費電力は166.1ワットという結果。ゲーミングPCとしては一般的なレベルだ。

省スペースで必要十分な機能を持つコンパクト・ゲーミングPC

 今回の試用機はゲーミングPCとしては、飛び抜けた高性能ではないものの、10万円前後の価格帯の製品としては、非常にバランスが取れている点も評価したい。タワータイプの拡張性とメンテナンス性のよさを維持しつつも、高さを抑えることで圧迫感をなくしている。また、予算さえあれば、かなりのハイスペック構成も可能な余裕のある設計となっている。拡張カードこそ増設できないものの、USB端子などがあることから、たいていの周辺機器に関する需要は満たすことができる。

 ゲーミングノートPCは高いし、ディスプレイも小さい。そう思っているゲーマーの方も多いだろう。かといってタワータイプのゲーミングPCでは場所を取ってしまう。コンパクトかつ高性能なゲーミングPCがあれば……G-GEAR mini GI7J-B63/Eはそんなユーザーの需要を満たしてくれる製品だ。

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