猫背を解消するIoTデバイス、1日15分のトレーニングで――「UPRIGHT」:背中に貼りつけて使用
姿勢に悩みつつも解消法が見つからない人もいるだろう。「UPRIGHT」はアプリと連携して背骨の動きで姿勢を正すためのIoTデバイスだ。
日本人にはもともと猫背が多いといわれている。PCやスマートフォンを長時間利用するIT業界の人ならなおさらだろう。
正しい姿勢を保つことで得られるメリットはさまざまだ。腰痛、肩こり、疲れといった健康上の問題が解消されたり、垂れたお尻、ぽっこりお腹、くびれのないウエストといった美容上のコンプレックスに悩まなくなったり、メリットを挙げればキリがない。
それでも、いざ取り組むと継続できなかったり、そもそもどういった姿勢が正しい姿勢なのか分からなかったりする。
そんな私たちの姿勢に関する悩みを解決するかもしれないデバイスをイスラエルのテルアビブベースのスタートアップ企業「UPRIGHT」が開発し、販売している。
トレーニング形式で姿勢を改善
「UPRIGHT」は、背骨の動きをモニターして、正しい姿勢へと導いてくれる。もともとは同社のファウンダー兼CEOのOded Cohen氏が「姿勢が悪い母親と自分のために」と開発したものだ。2014年にクラウドファンディングサイト「Indiegogo」で目標だった7万USドルの倍以上となる約15万5000USドルの資金を調達し、2015年の秋から一般向けに販売を開始している。
使い方はシンプルで、デバイスの粘着性のある面を背中に取り付けることで背骨の動きを感知して、姿勢が悪くなるとバイブレーションで正しい姿勢に戻るまで通知するという仕組み。デバイスと連動する専用アプリに従って15日~30日のトレーニング形式で姿勢の改善を図る。最初は15分のトレーニング時間も回数を重ねるごとに長くなっていく。
アプリ内では初回の動画チュートリアルに加え、その日のゴール(正しい姿勢を保つ目標時間)や過去のトレーニング結果、自分の姿勢に関する統計も確認できる。
UPRIGHTは同社のWebサイトとAmazonで購入が可能だ。129USドルで30日間の返金保障もあり、効果が実感できなかったら返金もできる。アプリはiOSとAndroidの両方に対応している。
「1日15分」はトレーニングとして短いと感じる人もいるだろう。しかし、実際は5~10分でも難しいかもしれないと筆者は推測する。というのも、姿勢を正そうと意識して座ってみても気付けば数分で元の姿勢に戻ってしまいがちだからだ。それだけ正しい姿勢を保つ筋肉を日頃使用していないことが分かる。同社によれば、このトレーニングを続けていくと1週間たたないうちに改善がみられ、トレーニング期間が終わる頃には正しい姿勢が習慣化するという。
正しい姿勢や猫背の直し方はネットや書籍などで数多く紹介されているが、自分の姿勢を客観的に分析することは難しい。「いろいろ試してきたが断念した……」という人はUPRIGHTの利用を検討してみてもいいかもしれない。
ライター
執筆:中井千尋(編集協力:岡徳之)
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