「Underworld」のスペシャルライブを「Gear VR」で360度体感してきた! 渋谷PARCOで一夜限りのイベント開催:VRで特等席
「Underworld」スペシャルライブを「Gear VR」でライブビューイングできるイベントが渋谷PARCOで開催。体験リポートをお届け!
「ゴーグルをかぶれば、目の前に仮想空間が広がる」――そんな触れ込みで今注目されているのが「VR」だ。2016年は「Oculus Rift」や「PlayStation VR」「HTC Vive」といったVRヘッドマウントディスプレイ(VR HMD)の製品版が続々と発売を控えており、デベロッパーやアーリーアダプター以外の、いわゆる“普通の人たち”がVRに触れる機会がぐっと増えるはず。
VRコンテンツはここ最近大きな注目を集めており、特にテーマパークでの採用が世界でも目立つようになってきた。国内においても、大阪にあるユニバーサル・スタジオ・ジャパンではVR HMDを装着してジェットコースターに搭乗するアトラクションが登場している。年内にはVR専用の屋内型テーマパーク「THE VOID」が米国に誕生する予定で、まさに「VR元年」といえるだろう。
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VR HMDは全方位型のライブ配信にも活用できる。360度撮影できるカメラを設置して映像をライブストリーミングすることで、遠方地でもVR HMDを装着すれば、あたかもその場にいるような体験ができるというわけだ。
そんな360度映像のライブストリーミングを音楽ライブで活用したイベントが、3月12日に東京・渋谷の渋谷PARCOパート1内にあるスタジオ「2.5D」で開催された。
ライブビューイングをVR HMDで
この日、テレビ朝日のロゴを手掛けたことでも有名な世界的デザイン集団「Tomato」の結成25周年記念企画展「THE TOMATO PROJECT 25TH ANNIVERSARY EXHIBITION“O”」の一環として、Tomatoの創立メンバーであるアーティスト「Underworld」が来日し、抽選で選ばれた200人限定のスペシャルライブ「Underworld Live: Shibuya Shibuya, we face a shining future」が開催されたのだが、ライブの模様を360度でライブストリーミングし、離れた2次会場でサムスン電子のVR HMD「Gear VR」を使ってライブビューイングするというイベントも同時開催されていたのだ。
会場には、音に合わせて振動する椅子「TELEPOD」が5台設置され、Gear VRと組み合わせることで臨場感のあるライブをVRで楽しむことができた。今回のイベントは、1回5分程度で次の参加者に入れ替えという形を取っていたため、ライブを最初から最後までVRで楽しめるわけではなかったが、体験したユーザーはリズムに合わせて体を揺らしたり、視点を動かしたりしてVRによるライブを楽しんでいた様子だ。
TELEPODなしではあるが、実際に筆者も体験してみた。カメラの映像はちょうどステージの目の前で、前方にはUnderworldの面々が、後ろを振り向けば流れる音楽に合わせて盛り上がる観客がいるという、普段ならありえないような特等席でライブを見ることができた。
ライブは日没とともに渋谷PARCOの屋上でスタートしたため、周囲は比較的暗い環境のはずだったが、映像が安定していたのが印象的だった。スタッフによればカメラは複数台のカメラを組み合わせた全方位カメラを利用しているという。
今回のイベントで使用されたGear VRは、サムスン電子のスマートフォン「Galaxyシリーズ」を装着することでVR HMDとして利用できる2015年12月に発売した製品で、サムスン電子とOculus VRが共同開発しただけあって性能は本家Oculus Riftと遜色ないといわれている。
記事冒頭で挙げたVR HMD製品は、高性能PCが必要であったり、そもそもVR HMD単体で10万円近い価格設定がネックとなっており、まず普通のユーザーは手が届かないというのが正直なところだ。その点、Gear VRは表示と処理をスマートフォン上でまかなうため、VR HMD単体で実売1万5000円程度と非常に手の出しやすい価格を実現している。今すぐお店で買えるVR HMDがGear VRなのだ。
今、別の場所で起きていることをVRで疑似体験できる――これは非常に興奮するし、応用はいくらでも思い付きそうだ。今回のようなVR HMDを利用した催しが広がることで、もっとVRの可能性が広がることに期待したい。
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