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担当者必見! 法人向けNAS製品で今抑えておくべきトレンド機能はこれだSOHO/中小企業に効く「NASキット」の選び方(第2回)(2/4 ページ)

法人はもちろん、家庭でもネットワークストレージの「NAS」が普及する中で、近頃存在感を増しつつあるのがQNAPやSynology、ASUSTORなどの台湾メーカーが手掛ける「NASキット」だ。そんなNASキットの選び方を紹介する本連載の第2回目は、SOHOや中小企業に向くNAS製品において、今トレンドになっている機能を解説しよう。

スナップショット機能

 うっかり削除や上書きをしてしまったファイルを復元するための機能として、スナップショット機能も多くのNASに搭載されつつある。スナップショット機能で定期的にボリュームの複製を行えば、指定した日時にさかのぼって、その時点でのファイルもしくはフォルダを復元できるので幅広いトラブルに対応できる。法人ユースにはぜひとも欲しい機能である。

 基本的な流れとしては、どのボリュームをどの程度の頻度でスナップショットを作成するかを指定しておけば、あとはスケジュールに従って自動的に実行される。スナップショットの数を指定して古いデータから削除していく設定も可能なので、無駄にディスク容量を消費することもない。実際にデータを取り出す際は、エクスプローラに似た専用のファイルマネージャを起動し、日時を指定して復元を行う。


これはSynology製品の例。最短5分ごとにスナップショットを撮ることができる

スナップショットの保存数を指定しておけば、ディスク容量を無駄に消費することはない

 これらは、NAS上のデータを同じNASの別領域にバックアップする例だが、これ以外にもNASのボリュームごと、あるいはLUN(Logical Unit Number)ごとにスナップショットを撮って別のNASに保存しておくこともできる。従来であれば外付けHDDなどで行っていたものが、より高い頻度でバックアップでき、さらに履歴管理も行えるというわけだ。

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QNAPのNASは「Snapshot Replica」を利用してNASのスナップショットを別のNASに保存しておくことも可能。NASのメモリが4GB以上必要であるなど、スペックの要件はやや高め

 ただし、スナップショット機能は全メーカーのあらゆる製品がサポートしているわけではなく、SOHOや中小企業向けの製品では上位モデルのみ対応に限定していることが多い。古いバージョンのOSはサポートしていないため、データを別の場所に移してからOSをアップデートし、そのあと元の場所に戻すというプロセスを経なければ利用できない場合もある。新規にNASを購入するのであれば、ぜひ対応モデルをチョイスしておいたほうがよいことは間違いない。


QNAP製品ではQTS 4.2.0以上でスナップショット機能をサポート。なおアップデート時は外部ストレージにデータを移し、完了後に元の場所に戻してやる必要がある

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