「9.7型iPad Pro」+「Apple Pencil」は仕事用デジタルノートとしてどの程度使える?:完全なデジタル化を後押し(1/2 ページ)
生産性を重視した「9.7インチiPad Pro」は、仕事でどの程度利用できるのだろうか。「Apple Pencil」と組み合わせたデジタルノートとしての実力をプロ視点でチェックする。
→・次回:「9.7型iPad Pro」+「Smart Keyboard」は仕事の文字入力にどこまで使える?
Appleから新たに登場した「9.7インチiPad Pro」は、これまでの「iPad」および「iPad Air」シリーズと同じ9.7型という画面サイズでありながら、「Apple Pencil」や「Smart Keyboard」といった専用の周辺機器を利用できることが大きな特徴だ。
クリエイティブ用途がフォーカスされがちなiPad Proだが、この9.7型のiPad Proに関しては、先に発売された「12.9インチiPad Pro」に比べ、最低価格が2万8000円安い6万6800円(税別)からで、タブレットとして標準的な画面サイズに収まっており、幅広い仕事での利用も視野に入ってくる。今回はこの9.7型iPad Proが仕事でどの程度使えるのか、Apple Pencilと組み合わせた実力をチェックしていこう。
メモや校正作業に大活躍するApple Pencil
iPad Proシリーズ専用の筆圧・傾き対応スタイラスペンであるApple Pencilは、これまで12.9型iPad Pro向けに販売されていた製品がそのまま利用できる。価格は1万1800円(税別)だ。
iPad Pro本体とはBluetoothで接続する仕組みになっており、充電はLightningコネクタから行う。キャップを外すとLightningコネクタが露出し、iPadにそのまま差し込んで充電できる。添付の中継コネクタを使えば、Lightningケーブルからの充電も可能だ。
これまでもシリコンのペン先を持つ静電容量式対応のタッチペンを使い、iPadシリーズでペン入力を行うことは可能だった。しかしその精度は必ずしも高くなく、筆記具のペンと同等の使い勝手を実現しているとはお世辞にも言えなかった。通販サイトなどで評価の高いタッチペンを取っ替え引っ替え試したものの、最終的にどれもものにならず、iPadでのタッチペンの利用を諦めてしまった人も多いに違いない(筆者がまさにそうだ)。
その点、Apple Pencilはボールペンや万年筆などと同等(アプリによってはほんのわずか遅れることもある)の追従性で、快適な手書き入力が行える。先端がシリコンタイプのタッチペンにありがちな、高速に動かしたときに筆跡がついてこなかったり、ペン先を画面にしっかりと付けないと描画されないこともまずないので、使っていてストレスもたまらない。
ボールペンなどと比べるとやや重い点(約20.7グラム)、また摩擦がほとんどなくツルツルと滑る点さえiPad Proの特性として許容できれば、ビジネスシーンでメモを取ったり、校正を行う用途にぴったりと言っていい。
あえて難点を挙げるとすれば、ペンの先端が固いため、筆記中にペン先と画面がぶつかるコンコンという音が耳障りなことだろうか。多くの出席者がいる静かな会議室などでは注目を集めることは必至で、ビジネスユースでは意外にネックになると考えられる。
根本的な解決は難しいにせよ、保護シートを貼ることで多少なりとも音の緩和に努めるなど、ユーザーの側で可能な対策は行っておきたいところだ。
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