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ストリーミング配信では伝わらなかった裏話をたっぷり! WWDC 2016現地レポートWWDCに参加してみた(1/3 ページ)

WWDCはAppleと開発者のライブなコミュニケーションが魅力。現地の熱気をお伝えします。

 Appleが年に一度開催する開発者のためのお祭り、WWDC(世界開発者会議)が13日(現地時間)開幕しました。当イベントは今年で27年目を迎えており、74カ国から5000人以上の開発者たちがサンフランシスコの街に集結します。5日間の会期中は110以上のセッションと150以上のラボが開催され、1000人以上のアップルエンジニアが開発者たちと交流したり、アプリのフィードバックを行ったりするなど、参加者を全面的にサポートします。

WWDC 2016、開幕

 WWDCに参加しない開発者やユーザーにとっては、キックオフイベントとなる基調講演のほうが馴染みがありますね。基調講演は公式サイトでストリーミング配信されるほか、多数のメディアで(もちろんITmediaでも!)発表内容の速報が伝えられます。恥ずかしながら、筆者は毎年それらをチェックして「WWDCを分かったつもり」になっていました。

 しかし今年初めて現地を取材して、配信される映像は基調講演の空気感のほんの一部しか伝わっていなかったことを知りました。例えるなら、アーティストのライブ動画を見て「○○の演出いいよね」としたり顔で語っていたようなもの。ライブでも生の熱気や観客(開発者)のリアクションは現地にいた人にしかわかりませんが、その空気感をなんとか読者のみなさまにお伝えしたいと思います。

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 そこで今回はアーティストのライブレポを書くような気持ちで、WWDC 2016の開幕現地の様子をお届けします。少しでもサンフランシスコの熱狂が伝わればこれ幸い。

まるでライヴ開演前! 参加者の高揚感に包まれた会場

ビル・グラハム・シビック・オーディトリウム(中央の建物)

 基調講演の会場は、クラシカルな外観が印象的なコンサート会場「ビル・グラハム・シビック・オーディトリウム」。午前9時ごろに開場すると、ドアの前に張り付いていた世界各国の記者たちが、一斉に早歩きで入場してゆきます。

 プレスにはアリーナ席の前列中央&下手ブロックがあてがわれたものの、指定エリア内は自由席のため、各国プレスによる場所取り合戦が開始します。絶対に負けられない戦いが、そこにはある!

 下手寄りのアリーナ席に着き周囲を見渡すと、会場レイアウトがライブ会場そのものであることに気づきます。前方ステージにはワイドスクリーンがあり、アリーナ席にはパイプ椅子が並べられていました。

横に広いスクリーンにはWWDC 2016のイメージ画像であるコードの文字でできたAppleのロゴが映しだされていた。開演数分前からはチラチラと点滅し始めた

 続いて会場外に行列をなしていた開発者たちも続々と入場してきます。天井近くまで伸びるスタンド席はぎっしりと埋まりました。場内にはApple MusicのラジオステーションであるBeats 1がさすがのいい音響で流れ、参加者の期待感を盛り上げます。

後ろを振り返るとスタンド席に続々と参加者が入ってきていた

 音が大きくなったのちフェードアウトすれば、基調講演開演の合図。客席のあちこちから「Hoooo!」「ワーッ!」っと自然発生的に歓声が上がり、会場のボルテージが一気にアップします。なぜ一企業の開発者向けのイベントがこんなに盛り上がるのか、一般ユーザーにはピンと来ないかもしれません。

 想像してみてください。WWDC 2016の参加料は5日間で1599ドル、チケットは抽選制、当選者の72%が今年初参加というメンバーです。数年間待ち続けた人もいる可能性を考えれば、WWDCは待ちわびていたプラチナイベントのようなもの。そのオープニングがこの基調講演なのです。

 さあ、いよいよアップルによる開発者のための「LIVE」の始まりです!

Hello, WWDC
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