新世代ミドルレンジGPU「Radeon RX 480」の性能をチェック:競合最新GPUとの比較も(3/3 ページ)
AMDから登場した「Polaris 10」こと「Radeon RX 480」。NVIDIAに続きAMDも新世代GPUを投入し、いよいよ自作界隈が賑やかになってきた。DirectX 12とWindows 10にからんで、グラフィックスカードは買い替えどきでもある。性能はいかに?
シングルでも十分、マルチGPUにもチャレンジしたくなるGPU
Radeon RX 480のパフォーマンスを見てきたが、およそこれが新世代ミドルレンジGPUのパフォーマンスなのだろう。フルHD液晶と組み合わせるならば、ほとんどのゲームタイトルで最高画質(アンチエイリアスはなし~控え目)が楽しめそうだ。そしてこれは、従来ならハイエンドGPUで実現していたもの。実際、いくつかのテストでは前世代のハイエンドに迫るパフォーマンスを見せた。
一方、最新世代同士で比べると、ミドルレンジであるためスコアのインパクトは薄かった。GeForce GTX 10シリーズのように、1枚で突き抜けたパフォーマンスを示す性質ではない。ここは理解しておこう。そのぶん、Radeon RX 480は低コストでフルHDゲーミングやVRを実現できる。
Radeon RX 480が目指しているのは、199~250ドルという、グラフィックスカードのボリュームゾーンである。価格がいくつか出てきたのでまとめると、8GBモデルで税別3万円強~中盤といったところだ。199~250ドルというドル価格のインパクトは若干薄れるが、国内価格としてはがんばったほうだろうか。安い製品なら2枚購入してGeForce GTX 1070の価格と並びそうだ。
ただし、2枚でCrossFireしてGeForce GTX 1080に比肩するパフォーマンスと言われても、電力効率的にはどうなのか、という疑問が生じる。場合によってはより上位の新世代Radeonのほうが電力効率がよい場合もある。
一方、コストという点でのメリットはあるかもしれない。ステップ・バイ・ステップでPCを強化していけるのも自作PCの醍醐味(だいごみ)だ。その点、Radeon RX 480は、補助電源コネクタが6ピン1基と使用本数が少なく、クーラーの構造では背面からも吸気できるため、マルチGPUのハードルは低めではある。
自作PCもどちらかと言えばマニアの領域になってきた昨今、マニアであれば一度はマルチGPUにチャレンジしてみるのもよいだろう。どことなくGeForce 8600 GTSのRadeon版という印象だろうか。
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