「VAIO S11/S13/S15」が刷新 LTE拡充、カーボン復活、法人シリーズも(2/2 ページ)
VAIOが主力の「S Line」をリニューアル。11.6型の「S11」、13.3型の「S13」、15.5型の「S15」をモデルチェンジした。法人向け新シリーズの「VAIO Pro」も展開する。
性能を底上げしたオールインワンノート「VAIO S15」
S15は光学ドライブを内蔵する15.5型オールインワンノートPC。オフィス内で「持ち運べるデスクトップ」というコンセプトの製品で、モバイル向けのS11やS13が搭載するIntelの2コアCPU(Uプロセッサ)とは異なる4コアCPU(Hプロセッサ)を採用するなど、可搬性より性能や機能に重きを置いている。
プロセッサは従来モデルの第6世代Coreから第7世代Coreに進化。Core i7-7700HQ(2.8GHz/最大3.8GHz、4コア)、Core i5-7300HQ(2.5GHz/最大3.5GHz、4コア)、Core i3-7100H(3.0GHz、2コア)から選べる。メモリは最大16GBまで搭載可能だ。
ストレージはSSDとHDDのデュアルドライブ構成に対応。SSDは128GBまたは256GBのSerial ATA SSDに加えて、新たに1TBまたは512GBのMLC PCI Express SSD(第三世代ハイスピードプロSSD)、256GBのTLC PCI Express SSD(第三世代ハイスピードSSD)も選べるようになった。500GBまたは1TBのHDD、1TBのHybrid HDDも選択できる。
15.5型の液晶ディスプレイは、解像度を1920×1080ピクセルもしくは1366×768ピクセルから選択可能。外光の映り込みを抑えたアンチグレア仕様だ。従来モデルで光沢だった液晶ベゼルはシボ加工の低反射仕様になった。
キーボードは従来同様テンキーを搭載。従来モデルでクリックボタン一体型だったタッチパッドは、S13やS11同様、左右ボタン独立型になった。
光学ドライブ(BDXL対応Blu-ray DiscもしくはDVDスーパーマルチ)は従来モデルから引き続き採用し、3基のUSB 3.0ポート(うち1基は電源オフチャージ対応)、SDメモリーカードスロット、1000BASE-Tの有線LAN、HDMI出力、アナログRGB出力(D-Sub 15ピン)、IEEEE 802.11a/b/g/n/acの無線LAN、Bluetooth 4.1、92万画素のHD Webカメラも搭載する。
S4やS5の状態からのWake On Lan、ポートやスロットのdisable設定、Windows 10 Pro、ストレージパスワード、セキュリティチップのTPM 2.0といった業務向け機能にも対応する。
本体サイズは380.3(幅)×260.8(奥行き)×25.1(高さ)mm、重量は約2.5kg。バッテリー駆動時間(JEITA 2.0測定法による公称値)は約5.2時間だ。ボディーカラーはブラック、ホワイト、ピンク、シルバーの4色から選べる。
法人向けの新シリーズ「VAIO Pro」立ち上げ
またVAIOは法人向け新シリーズとなる「VAIO Pro」の立ち上げを発表した。同社はこれまでもS11やS13の前身となる「VAIO Pro 11」や「VAIO Pro 13」という名前の製品を展開していたが、今回はこれらとは異なり、法人向けラインアップとして定義し直し、B2B販路に最適な製品をソリューションも含めて販売する。
ベースとなるPC本体製品はB2Cにも展開する前述のVAIO S Line新ラインアップと共通だが、名称はS11が「VAIO Pro PF」、S13が「VAIO Pro PG」、S15が「VAIO Pro PH」と分けられている。同日受注を開始し、直販カスタマイズモデルの最小構成価格(税別)はPFとPGが10万9800円、PHが9万4800円だ。店頭モデルは用意されない。
VAIO Proでは、PCライフサイクル全体を支えるサービスを拡充。「導入」段階でのキッティングや展開、「運用」段階のデバイス管理、セキュリティ管理、業務効率化、「保守・保証」段階での保証拡張やオンサイトサポート、「リプレース・破棄」段階のデータ消去や買い取りサポートなどをVAIO Proでは提供する。同社によれば、「開発設計から製造まで行うメーカーならではのソリューションを展開していく」という。
セキュリティ対策としては、PCの紛失や盗難にあった際、個人情報や機密情報のデータを遠隔消去できる「TRUSTDELETE Biz for VAIO」を10月後半以降に提供する。これはワンピが提供するサービスで、ハードウェア内蔵の消去機能「Phoenix Secure Wipe」と連動し、Windows OS起動前にSSDやHDDのデータを消去できる。2018年春には3GやLTEを使った消去命令の発行機能「SMS Push」もサポートする予定だ。
また、12月中旬以降にはTCG Opal 2.0準拠の暗号化機能付きSSDもBTOメニューに追加する予定。専用ハードウェアによる暗号化機能なので、BitLockerなどソフトウェア暗号化機能に比べてパフォーマンスが低下しないメリットがある。
同社はVAIO Proの立ち上げに伴い、LTE-Xとの業務提携も発表。LTE-Xが有する「LTE over Wi-Fi」技術を活用したセキュリティソリューションを共同で開発・提供する計画だ。この取り組み強化のため、今後、VAIOからLTE-Xへの出資も検討している。このソリューションはVAIOのPCならびにスマートフォン「VAIO Phone A」に対応する予定。
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