独自のチューニングでスループット改善――バッファローが「AirStation connect」発売 メッシュWi-Fiルーターに参入
20年前にWi-Fi(無線LAN)ルーターを発売したバッファローが、メッシュネットワーク型のWi-Fiルーターに参入する。独自のチューニングで高速化を図ったことが大きな特徴だ。
バッファローは8月3日、メッシュネットワーク対応Wi-Fi(無線LAN)製品向け新ブランド「AirStation Connect」を発表した。同日、同ブランドの新製品の販売を開始した。同社独自の技術で多段接続時のスループット(実効通信速度)を向上し、メッシュネットワーク対応製品としては、国内初のIPv6接続にも対応した(同社調べ)。想定販売価格は親機(既存製品)が2万7700円、メッシュ中継機が1万2000円、親機1台と中継機2台がセットになった「スターターキット」が4万7800円となっている。
親機
親機となるWi-Fiルーター「WTR-M2133HP」は、2018年1月に発売されたトライバンド対応機。8月3日からは新ブランドのもと継続販売される。
既存のWTR-M2133HP(在庫の未販売分を含む)については、「バージョン2.80」以降のファームウェアを適用することでAirStation connectに対応する。
なお、2018年秋をめどにAirStation connectに対応する新型親機も投入するという。イメージ写真を見る限りは、WTR-M2133HPよりもコンパクトな親機になりそうだ。
子機(中継機)
新製品のWi-Fi中継機「WEM-1266」は、AirStation connectの子機。背面には1000BASE-T端子を備え、テレビや据え置きゲーム機などの有線LAN機器も接続できる。
親機1台に対して、子機は最大9台接続可能だ。
なお、WEM-1266自体の単体利用はできない。必ずAirStation connect親機と組み合わせて利用する必要がある。
アプリ
親機と子機のセットアップは、スマートフォン・タブレット用アプリで行える。
アプリを使うと接続状況をビジュアルで確認できる他、子機の新設・再設置やデバイス単位での通信時間制限を簡単に行える。今後、アプリのバージョンアップによって「デバイスのグルーピング」「グループ単位での一括通信時間制限」にも対応する予定となっている。
多段接続に強い IPv6にも対応
AirStation connectは「来たるIoTホーム時代を見据えた家庭用Wi-Fi製品の新ブランド」という位置付け。
家庭内のWi-Fi対応機器が増加し、高スループットが必要な機器やサービスも広がる中、昨今はWi-Fi中継機(ブリッジデバイス)の売れ行きが好調だという。しかし、単純にエリアを広げることはできても、「家のどこにいても快適かつ高速」という環境の構築は難しい。
その課題を解決する方策の1つが、親機と子機が協調動作して通信エリアを広げる「メッシュWi-Fi」だ。メッシュWi-Fiはセットアップも比較的容易だが、通信経路や通信バンド(周波数帯)をうまく選択できずにスループットが落ち込みやすいという課題もある。
そこでAirStation connectでは、バッファロー独自のアルゴリズムを使って、複数の通信経路・バンドの中から最適なものを選び、極力高いスループットを保つ工夫を行っているという。特に多段接続時のスループットの良さについては、とりわけ強力にアピールしている。
また国内のIPv6接続サービスへの対応も訴求している。ただし、「IPv6 PPPoE」方式を用いてIPv6対応しているプロバイダーには非対応なので注意が必要だ。
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