コラム

震災8年目で改めて考える、終活込みのバックアップ天災にも人災にも耐えるバックアップ術(3/3 ページ)

いざ何かが起きたときに困るのが、PCやデータの紛失や喪失、破損です。失ってからことの大きさに気がつくのは、可能な限り避けたいものです。できるだけ手間をかけずにPCだけでなく、デジタルデータをバックアップするすべを考えてみましょう。

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データを物理的に残す手段も

 多少、穴があるバックアップ方法ですが、長期的にデータを残す、極力運用の手間を減らすという観点で今でも続けられています。実家にはSASIからSCSI、Parallel ATAやSerial ATAといったさまざまなコネクターのHDDがちょっとした山脈を形成していますが、いざというときはHDDをPCにつなぐだけでデータにアクセスできる(SASI用のPC-98は2台しか保存していませんが)安心感は何物にも代えがたいものです。

 細かいところですが、写真はデータとしてだけでなく、紙焼きとして残すのもお勧めです。今ではネットプリント(しまうまプリントなど)を使えば1枚6円程度で印刷してもらうことができます。別途送料やアルバム化すると追加費用が必要になりますが、紙焼き自体がバックアップとなるのはもちろん、印刷したものを手元に保存してみんなで見る、部屋に飾るといった際に重宝します。


場所は取りますが、写真データを印刷して“バックアップ”する方法も。VHSテープもデジタル化して保存します

 セキュリティとの兼ね合いは悩ましいところですが、終活を兼ねて簡易デジタルエンディングノートとして、A4用紙にPCやスマホのログインパスワード、各種クラウドサービス、NetflixやYouTube Premiumなどの有料サービス、ソーシャル関連のIDとパスワードに加え、銀行口座やネット銀行の口座をまとめて記入し、印鑑なども分かるところに置いておくことで“真のバックアップ”を完結させました。

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 データの整理やバックアップとともに、部屋の震災対策も行いました。具体的には、重いものほど床に近づけて置く、高さ1m以上の棚やラックは置かない、できる限りものを減らすという生活を心がけてきました。ようやく、最後に残った水冷PCもつい最近になってリプレースでき、当初想定した環境が整った格好です。

 普段見過ごしがちなデータの保護や保全を考えるとともに、誰に何を残すのか残さないのか、いざというときに慌てない、周りも困らない対策を一度考えてみてはいかがでしょうか。

記事初出時、空港名に誤りがありました。おわびして訂正いたします(3月11日)。


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