レノボ「Legion Go」の“強さ”はどれだけ変わる? 電源モードごとにパフォーマンスをチェック!【レビュー後編】(1/3 ページ)
レノボ・ジャパンのポータブルゲーミングPC「Legion Go」は、省電力重視の電源モードでも十分に高いパフォーマンスを発揮できる……のだが、それ以外の電源モードではどのくらいのパフォーマンスを発揮できるのだろうか。チェックしていこう。
レノボ・ジャパンのポータブルゲーミングPC「Legion Go」(実売価格12万〜13万円程度)は、AMDのAPU「Ryzen Z1 Extreme」を搭載しており、HD(1280×720ピクセル)〜フルHD(1920×1080ピクセル)の解像度であれば単体でもPCゲームをそこそこ快適に楽しめるという。レビューの前編では、“最弱”である「トップクラスの電力効率」にして各種ベンチマークテストを実施した。
今回は「本当に快適にゲームを楽しめるのか?」という観点から、パフォーマンス重視の「最適なパフォーマンス」と、パフォーマンスと電力消費の均衡を重視した「バランス(標準設定)」の両設定におけるパフォーマンスをチェックしていく。
Legion Goのスペックをおさらい
テストを始める前に、Legion Goのスペックを改めてチェックしていこう。
本体のサイズと重量は以下の通りとなっている。コントローラーを取り外せば「少し厚めのタブレット端末」として利用可能だ。
- コントローラー抜き:約210(幅)×131(奥行き)×20.1(厚さ)mm/約639g
- コントローラーあり:約298(幅)×131(奥行き)×40.7(厚さ)mm/約854g
先述の通り、APUはRyzen Z1 Extremeで、Zen 4アーキテクチャのCPUコアを8基16スレッド(3.3GHz〜5.1GHz)、RDNA 3アーキテクチャのGPUコアを12基(最大2.7GHz)備える。特にGPUコアは現状のAMDにおける最新アーキテクチャで、リアルタイムレイトレーシング(RT)処理にも対応している。
電源モードごとの性能をチェック!
ここからは、主要なベンチマークテストアプリを電源モードごとに実行していく。「出先で電源を確保できる状態」を想定して、今回は純正ACアダプター(最大65W出力)を接続した状態でテストを行う。
CINEBENCH R23/CINEBENCH 2024
まず、3Dレンダリングを通してCPUのパフォーマンスをチェックする「CINEBENCH R23」を実行した。10分間のうちに可能な限りテストを繰り返す設定を有効とした上で、最後に実行されたテストのスコアは以下の通りとなった。
- シングルコア
- 最適なパフォーマンス:1707ポイント
- バランス:1691ポイント
- トップクラスの電力効率:1155ポイント
- マルチコア
- 最適なパフォーマンス:1万1439ポイント
- バランス:1万876ポイント
- トップクラスの電力効率:9427ポイント
一目瞭然だが、電力設定によって、スコアにはそれなりの差が生じる。特に「トップクラスの電力効率」と他の2設定との差は大きい。
パフォーマンス重視の「最適なパフォーマンス」に設定すると、2〜3世代前のミドルクラスのデスクトップ向けCPU並みのパフォーマンスを発揮できる。コンパクトな本体であるにも関わらず、ここまでの性能を発揮できるのは、率直にいってすごい。
「バランス」は、最適なパフォーマンスと比べると少しスコアが落ち込むものの、十分な性能を発揮できている。普段使うなら、バランス設定にしておくとストレスなく使えそうだ。
先述の通り「トップクラスの電力効率」は他の電源設定よりもスコアは劣るものの、シングルコアスコアは1000を超えている。省電力でありながらも、そこそこの演算性能を確保できていることは、時代による進化といえるだろう。
CINEBENCHの最新バージョンで、負荷が一層増した「CINEBENCH 2024」でもCPUの性能をチェックしてみた。スコアは以下の通りだ。
- シングルコア
- 最適なパフォーマンス:99ポイント
- バランス:98ポイント
- トップクラスの電力効率:83ポイント
- マルチコア
- 最適なパフォーマンス:643ポイント
- バランス:634ポイント
- トップクラスの電力効率:541ポイント
スコアの傾向はCINEBENCH R23と同様だ。やはり、性能と省電力のバランスを取るならバランス設定で使うのが良さそうだ。
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