ついに発売! 16コア32スレッド「Ryzen 9 3950X」の使い所を考える:第3世代Ryzenの最上位モデル(3/4 ページ)
間もなくAMDからRyzen 9 3950Xが販売開始される。メインストリーム向けのソケットに対応する製品でありながら、16コアというこれまで上位プラットフォームでしか利用できなかったコア数を手に入れられる製品だ。第3世代Ryzen発表時から予告されていたが、ようやく発売される。メインストリーム向け初となる、16コアCPUのパフォーマンスを調べてみよう。
グラフィックスやゲームタイトルでの性能差は?
3DMarkでグラフィックス性能への効果を、Overallから見てみよう。
こちらは全く同じような傾向になることはなく、まずまずの差での勝ち負けがはっきりしたテストもある。全体を見ればRyzen 9 3950Xの方が比較的高いスコアを出す傾向にあるが、どちらがよりベンチマーク向きなのかということも、そこまで変わらないように見える。
CPU成分を削いだGraphicsスコアを見てみると、こちらはRyzen 9 3950Xの方がリードする項目が増えている。NihgtRaidを除けば、ほぼ同値かRyzen 9 3950Xがリードした。先のCPUベンチマークやアプリケーションベンチマークの結果を考えると、AMD X570環境の方がバスの効率がよいというようにも見える。
では、3D性能はほぼ同じとして、ゲームベンチマークで3Dゲーミング性能に違いが現れるのか調べてみよう。FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク、Red Dead Redemption 2、Tom Clancy's Ghost Recon Wildlands、Tom Clancy's Rainbow Six Siegeの4つのタイトルのビルトインベンチマークで計測している。
まず、最も重いFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークからだ。各プリセットで見るとどれもCore i9-9900Kのほうが若干高いスコアになる傾向だ。GeForce RTX 2080 Tiを組み合わせていることもあり、映像で見る限りほとんど差がないが実際のフレームレートには違いがあるかもしれない。
ここからは、フレームレートで結果が出るベンチマークだ。次に重いのがRed Dead Redemption 2のウルトラ画質で、高解像度ほど差が小さく、低解像度ほど差が大きいのは当然として、比率に直すと3つの設定ともRyzen 9 3950XはCore i9-9900Kの85%前後というわりと明確な一定の差になる。比較的CPU側がボトルネックになりやすい低解像度でも同じということは、CPU自体の性能でついた差のようには見えない。最適化やエンジンのクセが影響しているのではないだろうか。
次のTom Clancy's Ghost Recon Wildlandsも、全てCore i9-9900Kの方が高いフレームレートを記録した。しかし、比率で見ると各設定ともRyzen 9 3950XはCore i9-9900Kの97%差前後で一定している。
そしてTom Clancy's Rainbow Six Siegeだ。傾向としてはこれまでと同じで、Tom Clancy's Ghost Recon Wildlandsに最も近い。これも比率では各設定とも96%の差でほぼ一定となる。軽量であるほどCPUの差が出やすいのがセオリーだが、CPUの差というよりはプラットフォームの差であるように思える結果だ。
ここまでのように、ゲームにおいてはまだ若干、Intelプラットフォームに対してビハインドがある。ただ、今回のようにハイエンドGPUを組み合わせたシステムならば、十分なフレームレートが出ているのでそこまで問題にならない。
1つ気になるのは、ギガスレッド、ゲームと同時に配信やエンコードを行うような場合はRyzen 9 3950Xのメリットが大きいものの、ゲーム単体でこのコア数が効いているようには見えないことだ。
一般的なゲーム用途であればやはり8コアまでで十分だろう。もちろん16コアというのはロマンであり、コア数はそのPCの可能性を広げる。今はゲーム単独で遊んでいても、いずれゲーム配信、3D/映像制作もしたくなったときに、8コアでとどめていたら買い換えが必要になるかもしれない。
PCの購入を検討するとき、今の自分の用途に対してプラスαを見積もった方が幸せになれるのはここに理由がある。しかも、Ryzen 9 3950Xはさらにコストのかかるエンスージアスト向けプラットフォームではなく、(高価ではあるが)メインストリームプラットフォームでそれを実現できる。
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