第10世代Coreの超小型PC「OneMix3 Pro」をねちっこく触ってみた:8.4型2560×1600ピクセルとちょっと大きい(2/4 ページ)
One-Netbook Technologyが8.4型の液晶ディスプレイ搭載超小型PC「OneMix3 Pro」の出荷を開始した。第10世代Coreを備え、キー配列も変更された上位モデルの出来栄えはどうなのだろうか。
英語キーボードから日本語キーボードになって何が変わった?
OneMix2Sのボディーサイズは約182(幅)×110(奥行き)×17(厚さ)mmで、OneMix3 Proは8.4型ディスプレイの搭載に伴って一回り大きくなり、キーボードも大きくなった。キーピッチもOneMix2Sの約16mmから18.2mmへと広がっている。
MiniBookの約19mmと比べるとわずかに狭いが、キー入力は5本指を使っても狭苦しく感じない。キーストロークは実測で約1mm程度だが、それでも十分に押し込んだ感触はあり、押し込んだ指をしっかりと支えてくれるので、キー入力は快適に続けられる。
評価に使った日本市場向けのOneMix3 Proは、日本語キーボードを採用しているので「半角/全角、漢字」など専用のキーが必要になる。しかし、キーの数は英語版と変わらない。そのため、キー配置を変更することで日本語キーボードとしている。
例えば、「半角/全角、漢字」は英語版で「音量減」の場所に配置し、音量調整機能はカーソルキーの「←」「→」にそれぞれ割り当てた。また、英語版で「Enter」キーの上にある「Del」キーを最上段の右寄りに移し、Delキーのあった場所には使用頻度の高い「@」キーを置くなど、できる限り日本語キーボードに近い配列を維持している。
また、OneMix2Sで最上段最右端という誤爆しやすい場所にあった電源ボタンは一つ左に移り、最上段最右端には指紋センサーを設けた。少なくとも今回の評価作業において誤爆することがなくなった(それでも、Delキーの右隣り、0キーの上にあるのでユーザーによっては誤爆する可能性は高い)。
OneMix2Sにおいて、1つのキートップを分割していた「CapsLockキーとAキー」「,<」「.>」「/?」キーだが、本製品では「,<」「.>」「/?」がそれぞれキートップを分離することで打ちやすくなった。
ただし、「CapsLockキーとAキー」ではCapsLockキーの代わりにTabキーが置き換わっただけで、分割タイプのままだ。しかも、Tabキーとなったおかげで誤爆したときの影響はより大きくなっている(Windowsではフォーカスが隣のモジュールが変わってしまう、など)。
キーピッチが広くなり、そしてタイプの感触が良好なおかげで、アルファベットキーを使う分にはOneMix2Sと比べてかなり快適に入力できるようになった。
しかし、一方で先ほどの「TabキーとAキー」のように、かえって状況が悪くなっている配置もある。その典型的な例が「-=」キーだ。OneMix2Sでも通常の配列とは異なる1つ上の段に移ったために違和感があったが、それでも右寄り(正しくは右から数えて3番目)にあったおかげで、少し意識(指をぐっと伸ばすだけ)すれば入力は比較的しやすかった。
その点、OneMix3 Proの「-=」キーは最上段の右から数えて(指紋センサーを含む)6番目、キーボードのほぼ中央に位置している。そのため、明らかに意識して、かつ、手の動きも変えていかないとタイプするのが難しい。
特に文章入力において使用頻度が高い「-」(長音)が出るたびに手に意識が向かってしまい、文章を入力するリズムが乱れてしまう、もしくは、止まってしまう。これは、文章作成作業において大きな支障となった。加えて、「[{」キーと「]}」キーも最上段の左側寄りに移っている。こちらも、文章入力では使用頻度が高く、そのたびに文章入力作業のリズムが乱れてしまう。最上段に逃がさなければならないのは何とか理解するとして、使用頻度の低い「^~」「\_」キーと入れ替えるだけでだいぶ改善すると思われる。
なお、「かな」入力においては、一部のかなで従来の日本語キーボードと異なる場所に移っている。特に従来下段にある「む」「ろ」が最上段にあるので、このあたりでストレスを感じるユーザーは少なくないだろう。
ポインティングデバイスは、OmeMix2Sと同じ光学式センサーを使っているが、設置場所が「B」「N」「スペースキー」の中央からスペースキーの下中央に移った。そのおかげで、OneMix2Sであった「日本語を変換しようとしてスペースキーを入力しようとしたらポインティングデバイスを誤爆」ということがなくなっている。
光学式センサーの追従性も良好で、カーソルの操作には不自由を感じない。ただ、クリックボタンとの連携がいまひとつ良好とはいえず、ドラック&ドロップの操作中にうまく反応しないで事故、というケースが少なからずあった。
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