失敗から気付きを得る テレワークの効率を上げる3つの工夫(2/2 ページ)
新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、急きょテレワーク(遠隔勤務)をすることになった人も多いと思う。しかし、テレワークをする際には「失敗」も付きものだ。そこで、ある意味でテレワークを日々実践している“失敗談”を共有しつつ、どうすれば快適なテレワークができるのか考えていきたい。
教訓2:書類の郵送は効率化すべき
「ペーパーレス化」が叫ばれて久しい昨今ではあるが、どうしても紙で提出を求められる書類はある。筆者の場合、一部の「請求書」がそれに当たる。
請求書もペーパーレス化が比較的進んでおり、メールの添付ファイルで提出できることが増えてきた。金額によっては提出すら不要な場合もある。しかし、いまだに「請求書の原本を郵送してください」と言ってくる取引先は存在する。
企業の一員として、オフィスで請求書を始めとする書類を郵送する場合、プリンターも封筒もそろっていて、企業によっては郵便の取りまとめをする部署が自分に代わって郵便局に差し出してくれることもある。多少の手間はかかるが、それほど負担感はないだろう。
しかし、自宅で書類を郵送しようとすると、想像以上にひどく手間がかかる。「そもそも、家にプリンターはある?」「手元に封筒や切手はあるかな?」「最寄りのポストはどこにあったっけ?」などなど、たった“1通”を送るために、環境によってはかなりの時間を要する可能性もある。
筆者の場合、自宅最寄りの郵便ポストは、そこそこ遠くにある。フリーランスライターとして独立したての頃、「請求書を紙で送ってくれ」と言われた際は、50分程度を「無駄」にした。
もし思い当たる節があるなら、「その郵送作業は私の”仕事”なのか?」「メールなどでファイルを送付する方法で問題はないのか?」と自身や企業に問うべきだ。
現在、筆者はポストに出向くことを極力なくす努力をしている。先述の通り、請求書は取引先にデータ送付で受け付けてもらえるように働きかけている。
「どうしても紙の請求書が必要だ」という取引先に対しては、日本郵便の「Webゆうびん」を活用して送付するようにしている。
Webゆうびんを使うと、アップロードしたPDFファイルを封書として郵送してくれる。カラー印刷のA4用紙を1枚送付する場合、料金は1通146円(税込み)で、通常の郵便料金と比べると少し割高だ。しかし、自分で全部やると30分以上かかる作業が、慣れれば3分で完了することを考えると、費用対効果的に“お釣り”がくるレベルといえる。
影でサービスを支えてくれている人々には頭が上がらないが、不用意な外出をすべきではない今こそ、「紙でほしい」に対応するために積極的に使いたいサービスの1つだ。
そもそも論として、企業側が不必要な郵送を依頼しなければ、こうした作業はなくせる。法律で書面を紙で交付することが義務付けられているものでなければ、ぜひ融通を利かせてメールなどでの送付を認めてほしい。書類の紙での提出を求めている企業や部署には、これを機に決断を迫りたい所ではある。
教訓3:その書類、本当に必要? 「文字ベタ打ち」の方がいいことも
教訓2とも関連するが、請求書に限らず「そもそも紙の書類が必要か?」という話は結構ある。「ファイル(書類)を作って送る」という形骸化した作業は、テレワークという環境なら実は不要、というケースも多いかもしれない。頭を柔らかくして、「いつもの作法」を見直すよい機会だろう。
例として、「書類(ドキュメント)をキッチリ作って共有する」ということについて考えてみたい。
筆者は、macOSで稼働する「MacBook Pro」で執筆作業を行っている。ソフトは、主にAppleオリジナルのワープロソフト「Pages」を利用中だ。このアプリには、より広く使われている「Microsoft Word」のファイル形式で文章を保存する機能もある。しかし、ついうっかりPagesのオリジナル形式で保存したものを共有してしまい、Windows PCを使っている人から「ファイルが開けない」と言われることが何度かあった。
逆に、Windowsで生成されたZIP(圧縮)ファイルが送られてきた際に、筆者のMacBook Proでは通常通りの方法で展開(解凍)できないというトラブルも何度かあった。この問題は、主に文字の扱い方がOSによって異なることが原因で、macOSで生成されたZIPファイルをWindows PCで展開できない、という筆者と逆パターンの問題も起こりうる。
ファイルの圧縮や展開にサードパーティー製のアプリを使うと、この問題は回避できることもある。しかし、お互いがお互いの作業環境に配慮することには限界がある。リテラシーの差もかなりあると思われる。自分は対処できるから、相手も対処できるだろうと考えることはよくない。
こうした事態を避けるために、筆者は必要なやりとりはメールやメッセージで“ベタ打ち”するのがベターなのではないかと思うようになった。印刷などを想定しない限りは、こちらの方が余計な考慮をせずに済むだろう。
定期的に大容量のデータをやり取りする相手ならば、圧縮ファイルではなくクラウドストレージの「共有フォルダ」でやりとりした方が楽だ。この手法が使えるかどうかは、企業の利用してるサービスやセキュリティポリシー次第の面もあるが、テレワークをしやすいように、ワークフローの見直しを行う姿勢は必要だろう。
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