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量販店からコンビニまで 店頭に在庫が並ぶタイミングは?牧ノブユキの「ワークアラウンド」(2/2 ページ)

大型量販店や小規模なショップ、さらにはコンビニなど、世の中にはさまざまな業態の販売店があるが、メーカーから出荷された製品が店頭に並ぶタイミングは、その業態ごとに大きく異なる。これらの傾向について、業態ごとの違いの他、曜日や時間帯ごとの傾向をまとめて紹介する。

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コンビニは1日3回納品、バックヤードの在庫は期待できない

 最後になったが、コンビニについても参考までに記しておこう。コンビニについては、大手3社はいずれも1日3回、配送センターから製品が各店舗に届けられる。チェーンによって若干の違いはあるが、24時間のうち1回目が早朝、2回目が昼過ぎ、3回目が夕方というのが基本パターンだ。その後に店頭への品出しが始まる。客が多い朝、昼、晩のピークタイムには、おにぎりや弁当類が必ず陳列されているように工夫されたものだ。

 配送便が各店舗に到着する時間は、配送センターからのルートによっても変わってくる。また到着後もすぐに品出しができるわけではなく、客が少なくなるまでコンテナに入ったまま通路に放置されることもある。この辺りはピークタイム中心に売っている店と、そうでない店によっても違う。オフィス街にある店舗ならピークタイム優先になる。

 コンビニの特性として知っておきたいのは、バックヤードにストックを置くスペースがほとんどない店舗もあることだ。店舗によっては店頭在庫がほぼ全てで、バックヤードに残っているのは(規定のこん包で届いた)飲料の残りだけ、というケースもある。居抜きで営業している店舗も多いからだ。

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 それ故、店頭から品がなくなったら、次の瞬間にバックヤードからじゃんじゃん補充されるわけではない。それがマスクやトイレットペーパーのように、通常は品ぞろえ程度に置かれている製品であればなおさらだ。トイレットペーパーのように体積のあると、バックヤードに置き場所すらないことも多い。

 今回の新型コロナウイルスの影響で、さまざまな製品が店頭で欠品し、入荷したら即完売という状態が続いているが、コンビニはもともと製品の回転率と利便性を追求した業態であり、我先にと争って買うような製品を並べるには向いていない。マスクなどを買い求める場合も、店頭にないからといって店員が答えられない入荷予定を聞き出そうとするなど、迷惑を掛けることのないよう配慮したいところだ。

著者:牧ノブユキ(Nobuyuki Maki)

IT機器メーカー、販売店勤務を経てコンサルへ。Googleトレンドを眺めていると1日が終わるのがもっぱらの悩み。無類のチョコミント好き。HPはこちら

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