レビュー

iPad Pro用「Magic Keyboard」のよいところ気になるところじっくり使って分かった(4/4 ページ)

Apple純正のiPad Pro用キーボードに、トラックパッド付きの「Magic Keyboard」が登場した。発売以降、供給不足が続いているが、従来のSmart Keyboard Folioとの違いは何なのか、11インチと12.9インチのそれぞれで比較した。

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この条件でこれ以上の製品は考えにくい。お勧めは12.9インチ

 以上のように、ちょくちょく気になる箇所はあるが、Smart Keyboard Folioでネックだった箇所が見事にクリアされている。そもそもiPad ProをノートPCライクに使うためにキーボードとトラックパッドを合体させたデバイスを設計するとなると、正直これ以上の製品は考えにくい。

 前述の重量の問題、および11インチで3万1800円、12.9インチで3万7800円(ともに税別)という価格にさえドン引きしなければ、十分に買いと言えるだろう。言い換えると、重量と価格さえネックにならなければ、あえてSmart Keyboard Folio(11インチが1万8800円、12.9インチが2万800円)を選ぶ必然性は、ほぼなくなったと言ってよい。

 最後に、もしこのMagic Keyboardを使う前提で、iPad Proを購入するならば、11インチと12.9インチ、どちらを買うべきか? という点をチェックしておきたい。これについては「条件付きで12.9インチ」というのが筆者の見解だ。

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 最大の理由はキーのサイズだ。12.9インチはどのキーも十分なサイズがあるのに対して、11インチはEnterキー周辺が非常に窮屈だ。アルファベットが刻印されているキー自体はなるべく影響がないよう工夫されているのだが、Enterキーやタブキー、Ctrlキーあたりの小ささはつらい。どちらかを選ぶとなると、やはり12.9インチだろう。

 キー配列自体は11インチモデルも特におかしな箇所はなく、またアルファベットキーのピッチも許容範囲内なので、可搬性を優先するならば11インチという選択肢も悪くはない。12.9インチはiPad Pro本体込みで1341gと、もはや気軽に持ち歩ける重量ではないからだ。持ち歩いている時間の長さが、1つの判断基準になるだろう。


サイズ比較。左が12.9インチ、右が11インチ

折りたたんで重ねた状態。かなり大きさが違うことが分かる

11インチのキーボード面。アルファベットキー以外は左右幅がかなり詰まっている

12.9インチのキーボード面。アルファベットキー以外もキー幅に余裕がある

11インチモデルでホームポジションに指を置いた状態。右手の端がキーボード面からはみ出そうだ

12.9インチでホームポジションに指を置いた状態。右手の端もかなり余裕がある

キーボード幅の比較。上が11インチ、下が12.9インチ

キーピッチの比較。上が11インチ、下が12.9インチ。同じようでいて微妙に違う

左側ControlキーやTabキー周辺の比較。左が11インチ、右が12.9インチだ

右側Enterキー周辺の比較。左が11インチ、右が12.9インチ

 なお、12.9インチ限定の問題として、トラックパッドがかなり右に広いせいで、ホームポジションに指を置いた時、右手親指の付け根でうっかりトラックパッド手前のボタンを押してしまいがちなことが挙げられる。パームリジェクションが機能するためか、ポインタの誤動作はないのだが、気を抜いてカチッと音がするまでボタンを押し込んでしまうことがまれにある。

 ちなみにこのトラックパッドの面積の広さは、MacBookシリーズを踏襲したものだ。MacBookにおけるトラックパッドの説明には「Multi-Touchジェスチャーのための一段と広いスペース」とあり、そこの有用性は否定しないのだが、もう少しコンパクトでもよかったのでは? というのが個人的な感想だ。


トラックパッドはホームポジション(FキーとJキー)を基準に見てもかなり右に広い

それゆえ、うっかりトラックパッド手前を親指の付け根で押し込んでしまいがちだ

従来はなかったリンゴマークがモールドされている。iPad本体とは異なり、横向きなのが興味深い
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