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今ベストな「5万円台スト5PC」の形を再考する【追加ベンチマーク編】お手軽ゲーミングPCの道(3/5 ページ)

2020年3月からスタートした本連載だが、この4カ月間で外部環境が大きく変化した。それらの最新動向をチェックしつつ、初号機のAMDモデルに加え、弐号機のIntelモデルを作り、格安ゲーミングPCの勘所を探った。

コスパ重視で選ぶストVを最高設定でプレイできるGPU最新事情

 GPUについても、3月時点から微妙に市場動向が変わってきている。

 3月のパーツ選定編では「価格の安さのわりには高性能」ということで、Polaris世代のRadeon RX 570(5.1TFlops)を選択した。3月時点ではこれが4GBモデルで1万5000円前後だった。

 本連載掲載後およびコスパ重視自作PCブーム以降、このRadeon RX 570/4GBが品薄となっている。しかし、Radeon RX 570/8GBが1万7000円前後、Radeon RX 580/8GB(6.2TFlops) が1万8000円前後になっており、3月時点より価格を下げている。

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 ストVをプレイするにあたっては、グラフィックスメモリは4GBで必要十分なのだが、最近のPCゲームは6GB以上搭載していないと最高位のグラフィックス設定が選べなくなってきているので、あえて8GBモデルを選択するのはアリだと思う。

 3月時は性能的には文句なしなのだが、やや割高感のあった「Radeon RX 5500 XT」(5.2TFlops)は、グラフィックスメモリ4GBモデルであれば、最安値で2万円前後くらいまで価格が下がってきている。8GBモデルは、まだ最安値でも2万4000円前後でやや高い。


今回、メーカーからお借りしたMSI製の「Radeon RX 5500 XT GAMING X 8G」

実は日本では販売されていないモデルである。日本ではオーバークロック版の「Radeon RX 5500 XT MECH 8G OC」が約2万6000円程度で販売されている

 同じく、3月のパーツ選定編時には、性能的には不満はないものの、価格の割高感で選外とした「NVIDIA GeForce GTX 1660/6GB」(4.3TFlops)は、現在も今と変わらず最安値で2万3000円前後だ。

 NVIDIA製GeForceはブランド力も人気も高いため、同クラスのRadeonよりも価格設定が高い。1つ下のモデルである「GeForce GTX 1650 SUPER」(3.9TFlops)は性能的にもややギリギリで、4GBモデルしかないのもネックだ。それでいて価格が2万円するので、「GeForceに限定」という条件で、なおかつ「コスパ重視」ということになると、今も「GeForce GTX 1660/6GB」がお勧めということになるだろうか。


玄人志向の「GF-GTX1660-E6GB/OC/DF」は、GeForce GTX 1660のオーバークロック版モデルで価格は約3万円前後だ

玄人志向では、定格版「GALAKURO GAMING GG-GTX1660-E6GB/DF」もリリース中。こちらの実勢価格は2万5000円前後だ

 そんな事情にも配慮して、今回の追加ベンチマーク編では、テスト対象のGPUとしてRadeon RX 5500 XT/8GBとGeForce GTX 1660/6GBを取り寄せた。

今回、テスト対象としたパーツ群を組み入れると総額は?

 Ryzen 5 1600AFのベンチマークテストにあたっては、前回のベンチマーク編で使ったAMDのマザーボード環境をそのまま流用している。

 ただ、もともとハイブリッドストレージシステムのFuzeDrive1.5でセットアップしていたWindows 10環境は、Intelプラットフォームではそのままでは起動ができなかったために、Windows 10の再セットアップを行った。

 その際に、性能評価を対等に行うべくIntelプラットフォームに対してもFuzeDriveを組み込んだが、FuzeDrive開発元のEnmotusが7月1日にFuzeDriveをバージョン1.6へとバージョンアップしていたこともあり、これをインストールした。従って、ストレージシステムについては、バージョンの異なるFuzeDriveがインストールされた環境でのテストとなった。このあたりは、あらかじめご了承いただきたい。

5万円台スト5PC初号機(AMDプラットフォーム)の主なスペック
CPU Ryzen 5 1600AF(6コア12スレッド、Zen+、3.2GHz~3.6GHz)
マザーボード ASUS「TUF B450M-PRO GAMING」(AMD B450チップセット)
メモリ Panram DDR4 8GB(PC4-17000)×2枚
グラフィックスカード ASUS「ROG-STRIX-RX570-O4G-GAMING」(4GB)
ストレージ シリコンパワー「SP256GBP34A80M28」(NVMe SSD,256GB)
PCケース アイティーシー「舞黒透」(MicroATX)
電源 エバーグリーン「SilentKingα HK550-14GP」(550W)
5万円台スト5PC弐号機(Intelプラットフォーム)の主なスペック
CPU Core i5-9400F(6コア6スレッド、第9世代、開発コード名:Coffee Lake、2.9GHz~4.1GHz)
マザーボード ASRock「B365M PRO4」(Intel B365チップセット)
その他 上記以外はAMDプラットフォームのものを流用

 それでは、テスト結果を見ていこう。

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