圧倒的魅力の12 mini、圧倒的スペックの12 Pro Maxが加わり悩ましくなった2020年のiPhone選び(3/3 ページ)
ついにiPhone 12シリーズ全4モデルが出そろうときが来た。あらかじめ12と12 Proに触っていたが、12 miniと12 Pro Maxを新たに試用する中で、ますますモデル選びが悩ましくなったという林信行氏。悩んだ末に選んだモデルとは?
iPhone 12 Pro vs Pro Max
では、Proシリーズにする人は、ProとPro Maxのどちらにすべきか。
これも2020年版iPhoneの悩むポイントの1つだ。サイズが違うだけで性能が同じなら選びやすいが、ProとPro Maxでは細かくカメラの性能が変わっている。
1点目はProシリーズの肝である望遠レンズが、これまでのように35mm換算で52mmの2倍ズームレンズではなく、65mmの2.5倍ズームレンズになったことだ。Proシリーズの人は、カメラ撮影時に押す2倍ズームの「2」のボタンの代わりに「2.5」と表示されているのを見て驚くことだろう。しかも、さらに望遠になっているにもかかわらず、レンズの絞り値はこれまでのF2.2に対してF2.0と明るい。
iPhone 12世代のProシリーズは、暗いところでナイトモードのポートレート撮影が行えることも1つの特徴だが、iPhone 12 Pro Maxだけレンズが明るいせいか、ナイトモードにならなくて撮影サンプル作りで困ることがあったほどだ。
ProとPro Maxの比較で、もう1つ違うのが手ブレ補正の技術となる。Proではレンズを動かして手ブレを補正しているが、Pro Maxでは本体サイズの大きさを生かしてレンズよりも軽いセンサーの側を動かして手ブレ補正を行っており、毎秒5000回位置を補正しているということだ。
実際、どの程度手ブレに違いがあるのかは、筆者が3台を手に持って撮影したサンプル動画を撮ったので自分の目で確かめてみてほしい。
動き方によってはもう少し差が出るのかもしれないが、筆者の使い方ではそこまで大きな差を引き出すことはできなかった。
同様に、Appleの撮影サンプルを参考にハイコントラストな場所や暗い場所など、とにかくいろいろな場所でiPhone 12 mini、iPhone 12 Pro、iPhone 12 Pro Maxで試し撮りを行った。
確かに、暗い部分のディテールの描き方などPro Maxはさすがだと思わせる写真もある。しかし、実際にはそうした写真はまれで、標準レンズで明るい場所を撮って、撮って出しで見る分には、そこまで3モデルで差を感じない。それくらいにiPhone 12 mini(あるいはiPhone 12標準モデル)のコンピュテーショナルフォトグラフィーも、いい仕事をしているというのが筆者の実感だ。
今後、Apple ProRAW機能が使えるようになった際には、素の状態でも写真の質が大事になるので、もしかしたら、そのタイミングでの評価はまた変わってくるかもしれない。
いずれにしても、これまで12 Proと12 Pro Maxでは、ハッキリと区別がつくほど映像に違いが出るのかと思ったが、それほどではなかったこともあり、筆者はminiが気になりつつも、大きさのバランスが良い標準サイズのiPhone 12 Proを選ぶことにした。
ちなみに色は今回、iPhone 12 Pro Maxで実機の色を確認したゴールドにする。特殊蒸着で濃い色を出したゴールドが美しいとは聞いていたが、本当に美しかったからだ。
また、今回、ケースはApple純正のレザーケースを試したが、シリコンケースに比べてボタンのクリック感がしっかりしていて好感が持てた。Webでは、MagSafeの跡がつくと話題になっているが3~4日使った限り目立った痕跡はない。
いずれにしても2020年のiPhone 12シリーズ4モデルは、いずれ劣らぬ粒ぞろいのラインアップだったと思う。
ぜひとも、納得の買い物ができるように、1度、実機を確認して購入を判断してほしい。
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