レビュー

CPUとGPUのモジュールを合体! ASUSの超小型デスクトップPC「Mini PC PB60G」を試すGPUをモジュール方式で提供(6/6 ページ)

ASUS JAPANの「Mini PC PB60G」は、GPUのモジュールを超小型デスクトップPCに合体させることができるという、非常にユニークな製品だ。どれだけの性能を備えるのか、実機をチェックした。

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 最後に、ベンチマーク中の各部の温度を見ておきたい。ここからの計測値は室温が26度のものだ。まずは、CPUにマルチスレッドでの高負荷がかかるCINEBENCH R20 CPUテスト時だ。HWiNFO 64から見たCPU Packageの値は78度だった。一般的なミドルタワーPCと比べるとやや高く感じるかもしれないが、小型PCとしてはよく冷却できていると言えるだろう。危険域というわけでもなく十分なマージンがある。


CINBENECH R20 - CPU時のHWiNFO64ログ

 また、3DMark Fire Strikeテスト時のCPU Packageは71度、ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク時は同56度だった。エアフローがミドルタワーPCよりも厳しく、冷却が難しい小型PCだが、PB60Gに関しては問題ないことが分かる。

3DMark(Fire Strike)テスト時(左)とファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク(右)のHWiNFO64ログ

突き抜けた性能ではないが幅広いニーズを小さなボディーでカバー

 PB60Gは、小型PCでありパフォーマンスの傾向はノートPCに近い。ただしノートPCと言ってもライトゲーミングノートPCに相当し、統合GPUを利用するメインストリームPCよりも上のクラスだ。CINEBENCH R20やPCMark 10のスコアが示す通り、CPUスコアはやや低くてもGPUが効くアプリケーションでは性能が引き出せる。この点で、ゲームはもちろんその他にも幅広い用途でバランスのよい十分な性能が得られる。

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 多少の手間がかかるものの、メモリの増設は可能だ。そして、グラフィックスモジュールのPCI Express 3.0 x8という帯域も実用での影響はほとんどないと見てよいだろう。CPUに関しては少し惜しい。これが第10世代Coreならば、TDP 35W枠でもハイパースレッディング・テクノロジーに対応したCPUがあり、マルチスレッド性能も向上しただろう。ただし、それは価格も考慮すべきものである。

 PB60Gは直販のASUS Store価格で税別12万2564円、一般店では税込み13万5000円前後だ。小型PCということで自作PCよりもコストは高いが、同クラスのゲーミングノートPCと同程度と言える。さらに高い性能を求めるならば、CPUにCore i7-8700Tを採用した「PB60G-B7234ZD」も用意されているので、用途に応じて選べる。

 これらの点を総合すると、特化した性能を求めるよりはトータルバランスのよい汎用(はんよう)機、デザインと小ささを求める人に適した製品と言えるだろう。


2つのモジュールを重ねた状態でカバーを外すと、まるでおせち料理のお重のようにも見える
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