新しい映像体験を得られるジオラマRPGの「ファンタジアン」がApple Arcadeに登場間近!:ファイナルファンタジーの生みの親が作る大作RPG(2/2 ページ)
Apple Arcade向けの新タイトル「ファンタジアン」がComing Soonコーナーに加わった。開発は、坂口博信氏が率いるミストウォーカーだ。
改めて21世紀にRPGの魅力の原点を伝える
さて、ゲームの概要から話をしてしまったが、そもそもどんなストーリーのRPGなのだろう。
坂口氏は、ファンタジアンの世界を「多重構造のような複数の世界が重なり合ったような世界」と解説する。
主人公が住んでいるのはファンタジーの世界だが、そこに機械が中心の世界などが少しだけ重なり合っている。主人公の父親は、そういった多次元の世界を行き来する方法を発明し探索している。その父親が行方不明になったことで主人公が父親の遺産を使い、父親を探すべく異次元の世界とを行ったり来たりするという。
ゲームの冒頭、主人公は機械の世界に迷い込むが、そこで事故に遭って記憶を失うが、記憶の断片の中から1人の女性の姿を思い浮かべることで元の世界に戻り、女性と出会い、その後、主人公は孤児の女性と一緒に父親探しの旅に出るという。
8人の個性的なキャラクターが登場し、ゲームの前半ではこれら8人のキャラクターの出会いと分かれを描いているという。ストーリードリブンで、難しく考えないでも話が進んでいくが、この前半だけで総プレイ時間は20~30時間かかるそうだ。
ストーリーの半ばでガラッとゲームの雰囲気が変わり、そこからは自由度の高いクエスト形式、つまりいくつか用意されているストーリーを自分の好きな順番で解いていく。全体でのプレイ時間はおよそ40~60時間になるとのことなので、長編のドラマを5シーズン分くらい見るようなスケールの大作になる。
しかし、今後も在宅勤務(Stay Home)が長引くようなら、コロナ禍の自粛の中、皆でファンタジーの世界を探検し語り合った思い出は、数十年後にも良い思い出になるかもしれない。
では、RPGゲームの魅力とは何なのだろう。坂口氏いわく、初期のRPGゲームはドット絵のマス目でゲームの世界が描かれている。宝物が隠されていた扉のあるマス目には鍵を持っていないからいけないと思ったら、別のルートでそこへ行ったら実は扉の裏側に回り込めるなど、ゲームの世界に入れ込んでいる人は、カセットテープやFD(フロッピーディスク)に収められていたゲーム地図の全マス目を制覇し、その世界を知り尽くしていることを誇りに思っている人もいて、そういうのが楽しかったという。
ファンタジアンではジオラマベースで作られおり、描かれている世界はドット絵のマス目ではないかもしれないが、ゲームの世界を歩いていて「もしかしたら、こっちの方にも道があって進めるんじゃないか」と匂わせているような場面は、1つ1つ細かくチェックして、脇道探索も楽しめるようにしたという。
実は坂口氏も、このようなRPGの魅力を1度、忘れかけていた。2016年にゲーム機のスーパーファミコンミニが発売されたのがきっかけでゲーム雑誌「ファミ通(かつてのファミコン通信)」で、坂口氏の代表作、ファイナルファンタジーについての対談を行ったところ、自分はこのジャンルが好きであることに改めて気がつき、新作を作ろうと思い始めていたという。その際に、Appleがゲーム開発を支援するというApple Arcadeの話が舞い込んで今回の開発に至ったそうだ。
せっかくの新作ということでバトルのシーンでも、正面の敵を真っ直ぐ攻撃するのではなく、ブーメランのように弧を描く武器を使って背後にいる敵キャラクターを攻撃できたり、対戦すべき相手を1度、異次元のポケットに送り込んで、後でまとめて戦ったりといった新戦闘システムを採用するなど、ゲームプレイの面でも新たなチャレンジが多い。
日本だけでなく、世界のゲームファンも期待するファンタジアンについての背景情報は、今後、坂口氏自身もTwitterアカウントを使って積極的に発信していくということなので、まだフォローしていない人は、この機会に是非フォローしてみて欲しい。
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