レビュー

小型だけどパワフル! 片手で持てる第11世代Core搭載のIntel NUCを試す(3/4 ページ)

超小型PCとしておなじみのIntel NUCに、第11世代Coreを備えたモデルが登場した。「Intel NUC 11」(開発コード名:Panther Canyon)の実力をチェックしてみた。

DDR4メモリでも3D性能が大幅アップ! CPUやPCIe 4.0 SSDで高速

 それでは、本製品のパフォーマンスをベンチマークで確認していこう。ただし、評価機はメモリが1枚しか搭載されておらず、これではIris Xe Graphicsの性能が引き出せない。今やメモリの増設は2枚単位のデュアルチャネルが一般常識になっているので、実際に同じ製品を手にした際の性能も異なるだろう。そこでアクセスタイミングが全く同じDDR4-3200 SO-DIMM 8GB×2枚を用意した。その性能差を先に提示しておこう。


PCMark 10 Extended(デュアルチャネル)のテスト結果

PCMark 10 Extended(シングルチャネル)のテスト結果

CINEBENCH R23の結果(デュアルチャネル)のテスト結果

CINEBENCH R23の結果(シングルチャネル)のテスト結果

 PCMark 10 ExtendedではOverallで443ポイントの差が出ている。個別のテストで見るとほとんど大差ないものもあるが、それは主にCPUを利用するテストだ。現在のコンピューティングでは、一見CPU処理(ここはCINEBENCH R23が示す通り差が出にくい)がメインに見えてもGPUを利用するものが多い。PCMark 10ではホーム用途のEsssentials、ビジネス用途のProductivity、クリエイティブ用途のDigital Content Creation、そしてゲームという4つのシナリオでは、全てデュアルチャネル時の方が高スコアだ。

 特にゲームではPCMark 10のシナリオ自体が1.3~1.4倍の差だが、実際のゲームでも概ねこれに近い性能差が出ている。よほどの理由がない限り、NUCではデュアルチャネル構成で組みたい。

advertisement

 以降は、デュアルチャネル時の計測値を中心に性能を見ていこう。

 3DMarkでは、Time Spyが1582、Fire Strikeが4180、Night Raidが15625、Wild Lifeが10392といったスコアだ。Fire StrikeとNight Raidのスコア差の通り、比較的軽量のタイトルがプレイ可能といったあたりになるが、従来のIntel UHD Graphicsのスコアよりも高いため、同じタイトルではより高解像度あるいは高画質設定が望める。


3DMark(Time Spy)のテスト結果

3DMark(Fire Strike)のテスト結果

3DMark(Night Raid)のテスト結果

3DMark(Wild Life)のテスト結果

 かなり軽量のドラゴンクエストX ベンチマークソフトでは、フルHD、高品質時で12288ポイントの「すごく快適」評価だ。とはいえ、従来のIntel UHD Graphicsでも同タイトルは十分なスコアと評価を得られており、高性能なIris Xe Graphicsでは当然だろう。Iris Xe Graphicsらしさは、4Kの高品質時でも3208ポイントの「普通」評価が得られているところにある。


ドラゴンクエストX ベンチマークソフトの高品質テスト結果(1920×1080ピクセル)

ドラゴンクエストX ベンチマークソフトの高品質テスト結果(3840×2160ピクセル)

 World of Tanks enCore RT(リアルタイムレイトレーシングオフ)の超高プリセット(画質:超高、1920×1080ドット、アンチエイリアス:超高)も、5736ポイントで「良好な結果」評価を得ている。


World of Tanks enCore RT、超高時のテストスコア

 ゲームタイトル以外にも、動画の変換速度や発熱を見ていこう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.