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Ryzen搭載の超小型デスクトップPC「Minisforum UM270」を試す(1/4 ページ)

超小型PCといえばIntel NUCを思い浮かべるが、AMDプラットフォームでも同様のミニPCが続々と登場している。ここで紹介する「Minisforum UM270」もその1台だ。実力はどうなのか、チェックした。

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 BESSTAR TECHが展開するミニPCブランド「Minisforum」(ミニスフォーラム)が、先日までクラウドファンディングで支援を募っていたのが「UM270」だ。無事目標出資金額を大幅に達成(1万6166%)し、今後発売を目指すわけだが、そのUM270を一足先に試す機会を得た。

Minisforum UM270
Intel NUCシリーズのような外観の「Minisforum UM270」。Amazon.co.jpには、Minisforumの専用ページがあり、多彩なモデルが用意されている

高価になりがちなミニPCを旧世代APUベースでぐっと身近に

 MinisforumのUM270は、型番の通りなのか偶然か、Ryzen 7 2700Uを搭載するミニPCだ。Ryzen 7 2700Uはモバイル向けのCPUで、ミニPCは一般的にこのようなモバイル向けCPUを採用しており、いわばノートPCからディスプレイとキーボードを省いたデスクトップPCとなる。デスクトップ向けCPUベースのPCと比べると、とにかく小さく、VESAマウンターを介してディスプレイ裏に搭載することで机の上を広々と使うといった、省スペースニーズに適している。

Minisforum UM270
VESAマウンターも標準で付属する

 Ryzen 7 2700Uだが、ご存知の通り現行Ryzenはデスクトップ向けが5000シリーズ、モバイル向けも4000シリーズ世代へと進化しており、2000シリーズはかなり古い世代だ。とはいえ、CPUとしては4コア8スレッドを備えている。現在のラインアップに置き換えるなら、Ryzen 3 PRO 4450Uが同じ4コア8スレッドとなる。ただし、Ryzenは世代を重ねる毎にIPC(1クロックあたりの命令実行数)を大きく向上させてきたため、新しい世代の方が性能はよい。

Minisforum UM270
CPU-ZにおけるRyzen 7 2700Uの仕様

 GPU機能はRadeon RX Vega 10 Graphicsを統合している。Ryzen 7グレードなのでGPUコア数で10基備えており、当時の統合GPUとしては高い性能だった。現行世代GPUはアーキテクチャが変わっている点、それに統合GPU自体が昨今、性能競争が激しいところなので比較が難しい。ただ、当時の統合GPUとして最高性能だった点は、現在でもそこまで見劣りしないものと思われる。なお、Ryzen 7 2700Uが発表されたのは2年前で、そこまで古いというわけではない。

Minisforum UM270
Ryzen 7 2700Uに統合されたRadeon RX Vega 10 Graphics

 このようなスペックから、UM270の方向性はまずスペースをとらないコンパクトPCと、ほどほどの性能でコストパフォーマンス重視といったあたりになるだろう。コストパフォーマンスという点では、一般販売予定価格が6万7500円(税込み、16GBのメモリ、256GBのSSDモデル)とされている。メモリやSSD、OS込みの価格だ。いわゆる「7」グレードのPCがこの価格で購入できるならば、コスパはよいと言えるだろう。モバイル向けパーツで構成されていることから、ミニPC自体がそもそも自作PCよりも高価だからだ。

 1つ懸念を挙げるならば、製品供給数だろうか。旧世代APUの流通量が読めないため、UM270も長期供給されるのかどうか分からない。既にクラウドファンディングの出資募集も締め切られており、場合によっては、在庫を見つけたら即決の類のものかもしれない。

 この他、ユニークなのがOSにWindows 10 Pro(64bit版)を採用しているところだ。先に紹介したように、ミニPCはディスプレイ裏にマウントされることが多い。そのような使い方は、作業スペースの限られるビジネス用途でよく見かける。UM270も、メインターゲットはビジネス用途だろう。特に昨今の在宅勤務などで快適な画面サイズと、省スペースの両立を求めるニーズに向いているのではないだろうか。

Minisforum UM270
HomeではなくPro版のWindows 10を搭載する

 早速、内部のスペックを見ていこう。

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