Ryzen搭載の超小型デスクトップPC「Minisforum UM270」を試す(2/4 ページ)
超小型PCといえばIntel NUCを思い浮かべるが、AMDプラットフォームでも同様のミニPCが続々と登場している。ここで紹介する「Minisforum UM270」もその1台だ。実力はどうなのか、チェックした。
小型ボディーながら換装もカンタンでアップグレードも対応可能
UM270のボディーサイズは約127(幅)×128(奥行き)×46(高さ)mmだ。競合するであろうミニPCの雄であるIntel NUCの2.5インチドライブ搭載モデル(最新のNUC11PAHi7)が、約117(幅)×112(奥行き)×51mm(高さ)なので、専有面積では幅で1cm、奥行きで1.5cmほど大きく、高さは5mm程度抑えられている格好だ。とはいえ、そう大きな差ではなく机の上に置けば、その小ささに感嘆するだろう。
UM270の特徴と言えるのがメンテナンス性のよさだ。完成PCとして販売されるため、ケースを開ける頻度は高くないと思われるが、例えばメモリやストレージの容量が足りないと感じた際も、換装の手間がほとんどない。また、出荷時には空きの2.5インチベイにSSDやHDDを追加搭載するのも簡単だ。
というのも、内部へのアクセスは天板の前方左右をプッシュするだけで、工具は要らない。天板後方の左右はツメで引っ掛けるタイプなので、指で押すのも2カ所だけというのもポイントだ。工具が全く不要というわけではないが、M.2 SSDや2.5インチSSD/HDDの固定にプラスの精密ドライバーがあればよい。非常に便利な機構だが、1つ懸念を挙げるなら検証中に電源ボタンを押す際や、USB機器の抜き差しなどをする場合に、本体をホールドしようと誤って触れてしまうことも多かった。
内部には、M.2スロット(最大2280サイズ)、無線LANカード用のM.2 2230スロット、2.5インチベイ、2基のDDR4 SO-DIMMスロットがある。そのうち、M.2スロットにはSSDが、SO-DIMMスロットには8GB×2枚のDDR4-2666メモリ(DDR4-2400動作)が搭載されていた。
基板を取り出してみると、ボディーを開けてM.2やSO-DIMMスロットなどがあるのがいわゆるマザーボードの裏面、APUが実装されているのはその反対となる底面側だった。APU上にはブロワー型の小径ファンが搭載されており、背面側のヒートシンクで熱交換を行うエアフロー設計だ。
吸気は、主に底面から行う。底面には半分以上を占める大きさの吸気口が設けられている他、左右側面の底面寄り部分にも吸気口がある。
現行メインストリームノート級の性能で日常用途は快適
UM270の付属品は、冒頭の写真で紹介したVESAアダプター(固定ネジを含む)に加え、DisplayPortケーブル、HDMIケーブル、2.5インチSSD/HDD固定用ネジ、ACアダプター、電源ケーブル、マニュアルだ。
続いて、インタフェースを見ていこう。インタフェースもCPUの世代に依存する場合が多いので、旧世代CPU搭載モデルでは気になるところだ。
インタフェースがあるのは前面と背面で、前面にはUSB 3.2 Gen 2 Type-C×1、USB 3.2 Gen 2 Type-A×1、USB 3.2 Gen 1 Type-A×1(2Aの充電に対応、電源オフ充電可)、ヘッドフォン出力×1、電源ボタンが並ぶ。背面には、USB 3.2 Gen 2 Type-A×2、DisplayPort×1、HDMI 2.0×1、1GbE×2、電源の各端子とセキュリティ・ロックがある。
10Gbps対応のUSB 3.2 Gen 2端子が豊富にあり、USB機器による拡張性は十分と言えるだろう。高速の外付けSSDやUSBフラッシュメモリといった、速度を求める外付けストレージの接続が可能だ。また、映像出力端子も豊富でDisplayPortやHDMIだけでなく、前面のUSB 3.2 Gen 2 Type-Cも映像出力に対応しているという(今回は給電出力の問題か、手元にあるUSB Type-Cディスプレイでは映像出力を確認できなかった)。
ACアダプターはサイズがやや大きい。少し前のモバイルノートPC向けACアダプターというイメージだ。コンセント側のケーブルはデスクトップPC用電源でもよく見るIEC C14タイプになっている。
続いて、ベンチマークテストでUM270の性能をチェックしよう。
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