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「入門用にオススメ」と評される製品で注意すべきこと牧ノブユキの「ワークアラウンド」(1/2 ページ)

「入門用にオススメ」という表現には、ポジティブな評価の場合もあれば、ネガティブな評価の裏返しの場合もあり、字面通りに受け取るのは危険だ。このどちらの意味で使われているかを、購入前の段階で見分ける方法はあるのだろうか。

 PCやスマホ、タブレットなどの購入を検討するとき、メーカーが発信している製品情報だけでなく、実際に試したり買ったりした人がネットに投稿した製品の感想を参考にすることもあるだろう。こうした、いわゆる製品レビューでよく見かける文言の一つに「入門用にオススメ」というものがある。

 一見すると肯定的な表現だが、実際にはその筋に詳しい人では満足できず、初心者ならばごまかしが利くだろう、というネガティブな意味で使われることも多い。ある意味で危険な表現だ。

 もっとも、中にはポジティブな意味で使われているケースもあり、実際に使わない限りはなかなか判別しづらいのが難しいところ。字面通りに受け取らない方がいいこの「入門用にオススメ」という表現について、今回は詳しくみていこう。

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「欠陥はないがロースペック」か「機能面に欠陥がある」か

 PCやスマホ、タブレットには、ハイエンドからローエンドまでさまざまなレンジの製品が存在している。上と下の価格差は数倍、ヘタをすると10倍を超えることもある。

 ハイエンドはいわゆる「全部入り」で、かつスペックも最上級であることが多いため、これを無条件に選べば、ハズレを引く確率は下げられる。しかし誰もが潤沢な予算を有しているわけではないし、入手しても宝の持ち腐れになってしまうこともある。

 これに対して、「入門用にオススメ」と評される製品がある。多くの場合、ハイエンドには至らないロースペックな性能ながらも、その分、価格が抑えられており、製品を使いこなせるか未知数の初心者が限られたコストの中で試すには、十分に役に立つ製品というニュアンスで、こう評されることが多い。

 一方、機能に欠陥があるせいで安くせざるを得ない製品を評するときも、このような表現が使われる場合がある。使い込んでいくと不満が出るのは確実なので、浅い使い方にとどまる初心者ならば文句も出にくいだろうという推測のもと、そうした表現に行き着くわけである。

 これらの違いを把握しないまま初心者が「入門用にオススメ」製品を購入すると、待ち受けているのは不幸しかない。「欠陥はないがロースペックだから安い」であれば、もっさり感や機能不足により「なるほど安いとこういう問題があるのか」と原因を把握しやすいのに対して、「機能に欠陥があるため安くせざるを得ない」は挙動が読めず、目の肥えたマニアでも原因の切り分けが難しいからだ。

 もっとも、この「欠陥はないがロースペック」と「機能面に欠陥がある」は、実際にははっきりとした二者択一ではなく両方の要素が絡んでくる上、見た目はどちらも「価格が安い」という形で現れてくるため、現物をしばらく使ってみなければ、見分けにくいのが実に厄介だ。

ポイントは「買取価格が付いているかどうか」

 しかしこの両者は、実際に製品に触れていない段階でも、ある条件を付け加えることで、簡単に見分けられるようになる。それは「買取価格が付いているかどうか」だ。

 もしそれが、スペックが低いせいで安価な製品だと、中古でも一定の需要があるため、PC、スマホ、タブレットといった製品の買取を行っている店で買取価格が付く。しかし機能に難があったり、はたまた潜在的な不具合があって値引きされていたりする製品は、厄介払いを目的に付けられたプライスなので、買取は基本お断り、たとえ受け付けられてもジャンク同然というケースがほとんどだ。

 つまり、購入の時点で買取価格をチェックし、きちんと価格が付いている製品であれば問題なし、買取価格が付いていない製品ならば見送るという判断基準を追加するわけだ。これだけで、大ハズレの製品を引く確率はぐっと下げることができる。なにせ中古で売れるか否かというプロの視点を踏まえているわけで、信頼性は高い。

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