4Kゲーミングにベターな選択肢! 「GeForce RTX 3080 Ti」の実力をチェック(2/4 ページ)
6月3日22時から販売が解禁される「GeForce RTX 3080 Ti」。その実力はいかほどだろうか。NVIDIAが自ら設計したグラフィックスカードを使ってテストしてみよう。
GeForce RTX 3080の実力をチェック!
前置きはこれくらいにして、GeForce RTX 3080 Ti Founders Editionの性能をベンチマークテストを通してチェックしていこう。
第11世代Coreプロセッサ(開発コード名:Rocket Lake-S)がPCI Express 4.0バスを備えたこともあり、今回はCore i9-11900K(3.5GHz~5.2GHz、8コア16スレッド)を主体とするIntelベースのシステムで検証を実施する。比較対象として、同世代のGeForce RTX 3080 Founders Editionと、前世代のGPU「GeForce RTX 2080 Ti」を搭載するASUS JAPAN製グラフィックスカード(ROG-STRIX-RTX2080TI-O11G-GAMING)も用意した。
グラフィックスドライバーは、RTX 3080 Tiのみテスト版の「バージョン466.54」を、その他はテスト時において最新の「バージョン466.47」を使用している。今回のシステムではRisizable BAR(※1)も利用できるが、今回は同機能を無効とした状態でテストを実行している。
(※1)PCI Expressバスを介してCPUからグラフィックスメモリに直接アクセスする機能
3DMark
まず、DirectX Raytracing(DXR)(リアルタイムレイトレーシング)を利用しないベンチマークテストを進めていく。
1本目は、3Dグラフィックスの描画性能をチェックする定番のベンチマークソフト「3DMark」だ。今回は、DirectX 12ベースの「Time Spy」シリーズ、DirectX 11ベースの「Fire Strike」シリーズを実行した。
Time Spy系テストでは、RTX 3080 Tiが最も高いスコアを記録した。次いでRTX 3080、やや引き離されてRTX 2080 Tiという順番で、順当といえば順当である。フルHD(1920×1080ピクセル)で描画する「Time Spy」の総合スコアで比べてみると、RTX 3080 TiはRTX 3080比で5%前後、RTX 2080 Ti比で20%前後高いスコアを記録している。より負荷の高いWQHD(2560×1440ピクセル)で描画する「Time Spy Extreme」では、この差が8%前後、25%前後とさらに広がる。
Fire Strike系テストでも、スコアの並び方は変わらない。テストの解像度(負荷)が高まるほどスコア差が広がる傾向も同様で、4K(3840×2160ピクセル)で描画する「Fire Strike Ultra」では、RTX 3080 TiのスコアはRTX 3080比で10%前後、RTX 2080 Ti比で30%前後ほど高い。
前世代において「最も強いゲーミングGPU」の名をほしいままにしていたRTX 2080 Tiに対して、これだけのパフォーマンス差を見せつけているのは、素直に驚きだ。
FF14ベンチマーク/FF15ベンチマーク
続いて、実際のPCゲームをベースとするベンチマークソフトとして「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」を実行した。今回は、描画品質を「最高品質」に設定した上で、フルHD、WQHD、4Kの3種類の解像度でチェックした。
FF14ベンチマークでも、3DMarkと同じく、全ての解像度でRTX 3080 Tiがトップスコアとなっている。3つのGPUのスコア差は、フルHDでは10%未満に収まるが、4KではRTX 3080比で10%ほど、RTX 2080 Ti比で28%ほどスコアが高くなる。
この手のハイエンドGPUでは、基本的にフルHDでゲームを楽しむと「うま味」は少ない。高い解像度でこそ、真価を発揮する。RTX 3080と比べても安定したスコアを出していることから、4Kゲーミング環境を構築するならRTX 3080 Tiはベターな選択肢であることが分かる。
もう1つ、重量級PCゲームをベースとする「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK(FF15ベンチマーク)」も試してみた。描画品質は「高画質」で、FF14ベンチマークと同じ3種類の解像度で計測している。
FF15といえば全体的に高負荷なタイトルで、このベンチマークも負荷は高めである。だが、今までのテストと同様に、スコアはRTX 3080 Tiを頂点にRTX 3080、RTX 2080 Tiの順に並ぶ。
FF15ベンチマークでは、スコアとは別に快適さの指標も表示されるようになっている。RTX 3080 TiおよびRTX 3080は共に、WQHDまでは最高評価となる「非常に快適」を得られる。RTX 2080 Tiでは、フルHDこそ「非常に快適」だが、WQHDでは1段下の「とても快適」となる。
4Kでは、全てのGPUがさらに1段下の「快適」評価になる。ただ、スコアをよく見てみると、RTX 3080 Tiはあと少しで「とても快適」になる一方、RTX 2080 Tiは200ほどスコアが下がると、さらにランクの低い「普通」になるギリギリの状況だ。同じ評価でも、両者には大きな性能差がある。
高解像度における描画の安定性を重視するなら、RTX 2080 TiからRTX 3080 Tiへの買い換えは十分に“アリ”だ。
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