4Kゲーミングにベターな選択肢! 「GeForce RTX 3080 Ti」の実力をチェック(3/4 ページ)
6月3日22時から販売が解禁される「GeForce RTX 3080 Ti」。その実力はいかほどだろうか。NVIDIAが自ら設計したグラフィックスカードを使ってテストしてみよう。
PCゲームにおけるフレームレート
続けて、実際のPCゲームを使ってフレームレート(秒間の描画コマ数)をチェックしてみよう。
まず、設定次第で極端に高い負荷が生じる「レッド・デッド・リデンプション 2」(ロックスター・ゲームス)のゲーム内ベンチマークテストを実行してみた。基本の画質項目を最も重くなるように設定し、「高度なグラフィックス」設定はAPIを「DirectX 12」に、それ以外は標準設定のままで計測している。解像度はこれまで同様にフルHD、WQHD、4Kの3種類でテストを実行し、平均レートと最小レートを調べた。
本作のベンチマークモードは、フレームレートがかなり低めに出る上、数値のブレも大きくなる傾向にある。それでも、レートの高い順に並べると、先のテストと同じくRTX 3080 Ti、RTX 3080、RTX 2080 Tiという順番になる。序列に変化はないということだ。
平均フレームレートを見てみると、フルHDではRTX 3080 TiとRTX 3080が60fpsを超える一方、RTX 2080 Tiはギリギリで60fpsに達しない。負荷の一番大きい4Kでは、RTX 3080 Tiだけが平均30fpsを超えた。
これまでのテストと比べると、RTX 3080 Tiのみ最小フレームレートが比較的高めに出ていることが興味深い。
続いて、「CONTROL」(レメディー・エンターテインメント)をチェックしてみよう。解像度はこれまでと同様の3種類で、画質プリセットを“高”とした上で、ゲーム内の一定コースを移動した際のフレームレートをNVIDIA純正の「FrameView」を使って計測した。
なお、このゲームはDXRにも対応しているが、このテストでは無効としている。一方、DLSS(AIベースの超解像技術)は有効にした。
フルHDでのテスト結果は、これまでと違った傾向が出た。RTX 3080 Tiのフレームレートが伸び悩み、全てのGPUが最小フレームレートにおいてほぼ横並びである。WQHDや4Kでテストすると、今までと同様の傾向となる。
この結果でも分かる通り、楽しむゲームタイトルと解像度/画質の設定によっては、RTX 3080 Tiは性能を持て余してしまう。フルHDゲーミングを志向するなら、RTX 3080 Tiを選ぶメリットはあまり大きくない。
関連記事
- NVIDIAがデスクトップ向け「GeForce RTX 3080 Ti」「GeForce RTX 3070 Ti」を発表 6月3日から順次発売
GeForce RTX 30シリーズに、初めて上位バージョンの「Ti」が登場する。GeForce RTX 3080 Tiは「新たなゲーミング向けフラグシップ」、GeForce RTX 3070 Tiは、「シリーズにおける一番の売れ筋のパワーアップ版」という位置付けだ。 - 「GeForce RTX 3080 Ti」の国内想定価格は約17.6万円 「GeForce RTX 3070 Ti」は約9万円
NVIDIAが5月31日(米国太平洋時間)に発表した新型GPUを搭載するグラフィックスカードの国内発売日と想定価格が判明した。GeForce RTX 3080 Tiは17万5800円から、GeForce RTX 3070 Tiは8万9980円からで、米国発売日と同じ日付の22時から販売が開始される。 - Intelがデスクトップ向け「第11世代Coreプロセッサ」(Rocket Lake-S)を発表 クロック当たりの性能向上+AI処理を強化
「Rocket Lake」ことデスクトップ向けの第11世代Coreプロセッサのラインアップが発表された。モバイル向けの「Tiger Lake」に搭載された要素技術を反映することでパフォーマンスを向上したことが特徴だ。一方、Core i3とPentium Goldについては第10世代(開発コード名:Comet Lake)のまま据え置かれることになった。 - NVIDIAが「GeForce RTX 30シリーズ」を発表 8K DLSS対応の「GeForce RTX 3090」など3製品を順次投入
NVIDIAが、リアルタイムレイトレーシング対応GPUの新世代製品を発表した。先代の発売当初の価格をキープしつつ、性能を大幅に引き上げたことが特徴だ。 - NVIDIAがモバイル向け「GeForce RTX 3050 Laptopファミリー」を発表 搭載ノートPCは2021年夏に登場
NVIDIAが、ゲーミングやクリエイション用途のメインストリームノートPC向けGPUを発表した。GeForce GTX 1650シリーズの事実上の後継だが、上位モデルと同様にリアルタイムレイトレーシングやDLSS(AIベースの超解像技術)を利用できることが特徴だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.