E Ink電子ノート「QUADERNO(クアデルノ)」をライバル製品と比較した:第2世代に進化して大幅パワーアップ!(4/5 ページ)
富士通クライアントコンピューティング(FCCL)のE Ink電子ノート「QUADERNO」が第2世代に進化した。A5版(10.3型)とA4版(13.3型)のラインアップから、前者を試してみた。
外部とのファイルのやりとりは煩雑
こうした閲覧回りの機能が充実している反面、外部とファイルをやりとりする機能はかなり貧弱だ。本製品はクラウドストレージに対応しないため、外部にドキュメントを書き出すにはPCと接続するか、スマホと連携してデータを転送するしかない。最近はPCを持たないユーザーも多いので、多くはスマホアプリが使われると考えていよいだろう。
しかしながらこのスマホアプリ、途中で強制終了することも多く、フリーズしているのか処理待ちなのかの進ちょくも分かりにくい。使っているとかなりのストレスになる。前述の閲覧回りに関する機能の充実ぶりから考えると、かなりの落差があるというのが率直な印象だ。
例えば、これがKobo Elipsaの場合はDropboxとの連携に対応しており、内部で作成したドキュメントをPDFもしくはJPEG、PNGで簡単に書き出せる(ただし外部からの取り込みは制限あり)。またBOOX Note Airはもともと素のAndroidタブレットとあって、自社製を含めたクラウドストレージとの連携はお手の物だ。
つまり、新規のノートを作成するという点では、どのE Ink電子ノートも変わりはないのだが、本製品はそれらを管理し内部で閲覧するには非常にパワフルな一方、外部に書き出したり取り込んだりといった操作においては、機能が少なかったり、使い勝手がイマイチだったりと、かなり他社に後れを取っているというのが、本製品の現時点での評価だ。
ちなみに本製品は、電子ノートアプリによくある、入力した文字を読み取ってテキストに変換したり、手書きの図形を整形したりする機能がない。データを他のデバイスに書き出さず、本製品の中でのみ使い回すことに主眼を置いていると考えれば、こうした機能がないのも納得がいく。
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