E Ink電子ノート「QUADERNO(クアデルノ)」をライバル製品と比較した:第2世代に進化して大幅パワーアップ!(5/5 ページ)
富士通クライアントコンピューティング(FCCL)のE Ink電子ノート「QUADERNO」が第2世代に進化した。A5版(10.3型)とA4版(13.3型)のラインアップから、前者を試してみた。
よりいっそうの「脱PC」を! 低価格化にも期待
以上のように本製品は、基本的にスタンドアロンで、外部とのやりとりは極力行わない使い方に向いた製品だ。外部とやりとりする機能がないわけではなく、できる/できないでいうと他社同様「できる」なのだが、ボタン1つでクラウドストレージとやりとりする手軽さはない。
そのため、E Ink電子ノートというくくりで見た時には、意外に他社製品とバッティングしにくい製品と言える。他社のE Ink電子ノートを含めた複数の候補の中からどれかを選ぶ場合、こうした特徴を把握しておけば、自分の利用スタイルと照らし合わせて、合う/合わないを判断しやすいはずだ。
もっとも今回のモデルは従来と異なり、本体側でWi-Fiの設定が行えるようになったり、ソフトウェアアップデートも本体から直接行えるようになったりと、「脱PC」という意味では着実な進化を遂げている。今後もこうした、PCを所有しないユーザーでも使いやすい方向への進化を期待したいところだ。
ネックなのは税込み4万9800円という価格(直販の富士通WEB MART価格)で、電子ノートをヘビーに使うユーザーなら十分にモトが取れるが、たまにしか電子ノートを使わないユーザーからすると、他の機能がないだけに、どうしても割高に見えてしまう。電子ノート機能が読書端末の付加機能であるKobo Elipsa(同4万6990円)や、そもそもが素のAndroidタブレットであるBOOX Note Air(同5万9800円)と比べた場合、このような点はネックとなる。
とはいっても本製品の場合、余計な機能を付加したことでボディーの薄さ/軽さという最大の強みが失われると、何の特徴もないモデルになりかねないので、その兼ね合いが難しいところだ。このような点を踏まえると、機能を増やすよりもむしろ価格面でもう少し頑張ってもらえれば、さらに広い層への普及が期待できるかもしれない。
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