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E Inkの読書端末に電子ノートが合体! 楽天「Kobo Elipsa」の電子ノート機能の実用度をチェックした(2/4 ページ)

楽天の10.3型電子書籍リーダー「Kobo Elipsa」は、同シリーズの最上位モデルに当たる製品だ。電子ペーパー機能にフォーカスしてみていこう。

基本機能がそろった「無地ノート」はシンプルな手書きに便利

 では、ノート機能についてざっと見ていこう。本製品のノート機能は、画面下段のメニューバーにある「ノート」をタップして起動する。ホーム画面には、これまで使用したノートが並ぶのに加え、左上の「+」と書かれたサムネイルをタップすることで、ノートの新規作成が行える。

 ノートには標準的な機能を備えた「無地ノート」と、図形や数式、手書き変換が可能な「多機能ノート」の2種類があり、後述する用途によって使い分ける。余談だがこのノートの名前は、英語版では「Basic notebook」「Advanced notebook」となっており、本来ならば「標準ノート」「拡張ノート」とでもすべきところ、誤訳したのではないかと考えられる。


まずは画面下段のメニューバーから「ノート」を選択して起動する。このメニュー配置からも分かるように、メインの電子書籍機能とは並列関係にある

ノート機能のホーム画面。新規にノートを作成する場合は左上の「+」をタップする

「無地ノート」と「多機能ノート」のいずれかを選択する。タイトルをわざわざ手入力する必要があり、素早く立ち上げられないのはマイナスだ

今回は「無地ノート」で起動。方眼マスのテンプレートが表示された

 「無地ノート」は、フリーハンドでメモを取るためのノートで、用意されているテンプレートは方眼紙など4種類と白紙のみだ。ペンの種類は5種類、太さが5種類から選べ、筆圧検知にも対応している(ペンの種類による)。

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 独特なのは、5種類から選択できる「色合い」が、黒/赤/青などのカラーではなく、グレーのパーセンテージの違いでしかないことだ。

 E Inkの電子ノートでは、画面上では白黒表示でも、エクスポートしたPDFファイル上では色がついて表示される仕組みを備えることが多い。しかし、本製品のそれは単なるグレースケールの濃度の違いでしかないので、エクスポートしても見た目は同じだ。少々不思議な機能だ。

 消しゴム機能は、範囲選択機能のみが用意されており、ストローク単位で消すには、スタイラスペンに2つ並んだ後方のボタンを押しながらなぞる。この他にアンドゥ、リドゥ機能も用意されている。おおむね一般的な使い勝手だ。


ペン機能。基本的な選択肢(ボールペン、万年筆、カリグラフィー、筆ペン、マーカー)が網羅されている。アイコン表示とテキストラベルがともにあり、見やすい

5段階の濃度を変えて書いたサンプル

上記のサンプルを、他のデバイスで開いたところ。色違いではなく濃度違いという不思議な仕様だ

消しゴムは図形およびペンの2種類

 動作速度については、高速に筆記すると若干ストロークが遅れる印象があるが、前回紹介したQUADERNOに比べるとそう感じるだけで、実用レベルには達している。長いストロークでもペン先がきちんと追従してくるので、ストレスになるレベルではない。以下の動画も参照してほしい。

描画している様子。高速に筆記すると若干ストロークが遅れる印象だが、実用レベルとしてはセーフといったところ。長いストロークでペン先が遅れることもない

 以上のように、電子ノートで筆記するための機能は一通り用意されており、普段遣いには適しているものの、描画や図の挿入機能や、手書き文字をテキストに変換できる機能はなく、競合のE Ink電子ノートと比較して、機能は控えめだ。

 またテンプレートも追加機能はなく、用途に応じたテンプレートを自作して追加できる他社製品と比べると見劣りする。この無地ノートだけならば、電子書籍端末のおまけの域を出ないというのが率直な印象だ。


オプションの選択肢。ページ背景変更などはここから行う

テンプレート(ページ背景)の選択肢は少ない。けい線の間隔も固定で、他社のE Ink電子ノートと比べた場合の弱点となる

 続いて、多機能ノートについてチェックする。

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