写真や動画を扱う人にはパワーアップの恩恵が 「ThinkPad X1 Carbon Gen 9」を試す(後編)(2/2 ページ)
レノボのフラグシップノートPC「ThinkPad X1 Carbon」の第9世代モデルは、画面のアスペクト比が16:10となったことが特徴だ。今回は、その実力をベンチマークテストを通してチェックしていく。
3Dパフォーマンスをチェック
今回のレビュー機が搭載しているCore i5-1135G7には、GPUとしてIris Xe Graphics(EU80基)を統合されている。その3Dグラフィックス性能を「3DMark」でチェックしてみた。各テストの総合スコアは以下の通りだ。
- Time Spy:1534ポイント
- Fire Strike:4165ポイント
- Night Raid:1万6458ポイント
過去のIntel製CPUの内蔵GPUと比べると、3Dグラフィックス性能は格段に良くなっている。ビジネス向けのX1 Carbonで3Dゲームをする人がどのくらいいるのかはさておき、これなら画質設定を高くしすぎなければフルHD(1920×1080ピクセル)のゲーミングはこなせそうである。
バッテリーの持続時間はどう?
レビュー機には4セルのリチウムイオンバッテリーを搭載している。JEITAバッテリ動作時間測定法(Ver. 2.0)に基づく連続稼働時間は約26時間とかなり長い。
しかし、実際のバッテリーによる連続稼働時間は利用環境によって左右される。そこで、PCMark 10のバッテリーテストを使って実利用環境に近い状況で連続稼働時間を計測してみよう。シナリオは「Modern Office」を利用し、液晶の輝度を最大にしたこと以外は電源設定は標準設定のままとした。
バッテリー残量が99%から5%(強制的に休止状態となるしきい値)になるまでに要した時間は10時間17分だった。公称値から少し乖離(かいり)しているものの、標準的な勤労時間(1日8時間)を考えると「少しくらい残業をしても余裕」な持ちといえる。
着実に進化を続けるThinkPad X1 Carbon
2回に渡ってThinkPad X1 Carbon Gen 9をレビューしてきたが、Gen 7の現役ユーザーである筆者にとっては「何もかもがより快適」で、今すぐにでも買い換えたい気分である。
特に、アスペクト比が16:10となったディスプレイは思った以上に実用性の面でメリットがある。比率ベースでわずか「1」だけ縦方向の解像度が増しただけだが、その「1」が特に表計算ソフトを使う際にありがたい(情報の多いシートを扱う機会が多いからだろう)。
ただし、1回目のレビューでも触れたが、キーボードの一部のキーサイズがGen 8から変更されていることには注意を要する。筆者は普段米国英語(US)配列のキーボードを使っているので影響はそれほど大きくないが、日本語配列を好む人は右端部のキー縮小について慎重に検討しなければならないだろう。
ともあれ、今は間もなくGen 10が登場しそうなタイミングである。もう少し、買い換えについて悩もうと思う。
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