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ワークステーション向けCPU「Ryzen Threadripper PRO 5000」が登場 Zen 3アーキテクチャを採用(2/2 ページ)

AMDのワークステーション向けCPU「Ryzen Threadripper PRO」が、Zen 3アーキテクチャベースに移行する。最大で64コア128スレッド構成を用意しており、Lenovoの「ThinkStation P620」を皮切りに搭載製品が順次登場する見通しだ。

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ソフトウェアの最適化を推進 より高いパフォーマンスを発揮

 AMDでは、ISV(独立ベンダー)と強力して、各種ソフトウェアのRyzen Threadripper PRO 5000シリーズへの最適化を進めている。主な最適化対象のソフトウェアは以下の通りだ。

  • Ansys Mechanical(構造/伝熱解析)
  • Autodesk Arnold(建築用3Dレンダラー)
  • Adobe After Effects(VFX/モーショングラフィックス)
  • SOLIDWORKS Plastics(樹脂の流動解析)
  • Creo(AIを使ったCAD設計支援)
  • Simerics MP+(バルブやポンプに最適化した流動解析)
  • Chaos V-Ray(フォトリアルレンダリング)

ISVと協力して、ソフトウェアのRyzen Threadripper PRO 5000シリーズへの最適化を進めている

 PCI Express 4.0バスのスロット数やコア/スレッドの多さから、AMDは多くの場面でRyzen Threadripper PRO 5000シリーズがXeon W-3300に勝ることをアピールしている。


「Autodesk Maya」を使って双方向グラフィックスを描画した際のパフォーマンスと、「CrystalDiskMark 8」を使ってストレージ速度を比較したグラフ。CPU自体はもちろん、入出力もより高速であることをアピールしている

「Unreal Engine」と「Chromium」のプログラムのコンパイル時間の比較。64コア128スレッドのRyzen Threadripper PRO 5995WXは、38コア76スレッドのXeon W-3375と比べて最大で37~40%の高速化を図れるという

After Effects、Chaos V-Ray、Mayaを利用したレンダリングパフォーマンスの比較。これもXeon W-3375よりもRyzen Threadripper PRO 5995WXの方が高速だという

Creo、SOLIDWORKS、KeyShotを使った3Dレンダリングのパフォーマンス比較。とにかくRyzen Threadripper PRO 5995WXの高速さが際立っている

Ryzen Threadripper PRO 5995WXをXeon Platinum 8280を2基搭載したシステムといろいろなソフトウェアにおけるパフォーマンスを比較。ただし、Xeon Platinum 8280には「Xeon Platinum 8380」(2.3GHz~3.4GHz、40コア80スレッド)という後継製品が出ているため、それを2基構成とした場合と比べるとどうなるのかというのは気になるところだ(消費電力はさておき)

エントリークラスのRyzen Threadripper PRO 5945WXでも、Xeon W-2295(4.6GHz~4.8GHz、18コア36スレッド)の置き換えに十分なパフォーマンスを備えていることをアピールしている

Ryzen Threadripper PRO 5000シリーズは、Lenovoのデスクトップワークステーション「ThinkStation P620」の新モデルが搭載第1弾製品となる。ただし、ThinkStation P620以外の製品の登場時期は発表されていない
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