連載

「iPhone SE(第3世代)」を実際に試して分かった違い 第2世代と写真を撮り比べてみた本田雅一のクロスオーバーデジタル(2/3 ページ)

iPhoneの新しい基本形となる第3世代「iPhone SE」。第2世代iPhone SEとボディーや内蔵カメラは同じだが、中身がA15 Bionicに進化したことで何が変わったのか。実際に写真を撮り比べてチェックした。

「基本形」だが廉価版ではないiPhone SE

 iPhone SEが年間を通して最も多く販売される理由は、iPhoneの中では最もアフォーダブル(購入しやすい)な価格帯に設定されているためだ。このため普及モデルという言い方をされることもあるが、廉価版というわけではない。第3世代iPhone SEの価格はApple Storeで5万7800円からだ。

 冒頭でも触れたように、Appleは安普請だと感じられる端末を作ることを嫌っているようだ。もともとのiPhone 8は高級モデルとして設計されたもので、生産拠点こそ異なるが、その基本的な機構設計はSEでも変わらない。

 それは前面と背面に採用された強化ガラスにも見て取れる。第3世代iPhone SEではiPhone 13・13 Proと同じ強度のガラスにアップデートされているのも、高級モデルとして傷や経年変化に強い外装とするためだ。フレームに採用された7000番台のアルミ合金もiPhone 13と同等で、こちらも普及価格帯の製品に多いプラスチック素材よりも、数年を経ての劣化が目立ちにくい。

advertisement

第3世代iPhone SEは、iPhone 13・13 Proと同じ強度のガラスを前面と背面に採用。フレームのアルミ合金も上位モデルに見劣りしない

 そもそもSoCのA15 Bionicは、業界内でも最も高パフォーマンスなスマートフォン向けチップだ。Android端末でいえば、ハイエンドの端末に相当する高性能である。Appleは定期的にiPhone SEをアップデートしていくことで、iPhoneが生み出すアプリ市場のベースラインを底上げし、新しいアプリ、よりSoCの機能を生かしたアプリが登場することを促している。

 利用者側の視点でいえば、1台のスマートフォンを使い続ける年数が延びている昨今、安心して購入できる、最も高性能な(将来も使い続けられるだけの性能の余裕がある)製品といえよう。

搭載カメラのモジュールは第2世代iPhone SEを踏襲

 ところで、なぜiPhone SEはアフォーダブルなのだろうか。それは外装部品の素材や通信モデム、アンテナ設計などを妥協しているからではない。機構設計や使用するコンポーネントの多くを引き継ぐことで、設計コストや生産時の組み立てコストなどを抑えられるからだ。

 一方でSoCを最新にすることで、自然とアップデートされる機能もある。それはカメラ、マイク、スピーカーなどの画質や音質だ。信号処理のレベルが最新iPhoneと同じになることで品質が向上する。

 特にカメラへの影響は大きい。ホワイトバランスとトーンマッピング(明暗階調の割り付け)に無視できない違いがあり、ディテールの深さや暗所撮影での若干のノイズも改善している。

 第2世代iPhone SEの方が明暗のコントラストがついて、局所的にはパリッと鮮明に見える。しかし写真全体を見渡すと、やや不自然な傾向も感じられる。つまり被写体と背景、中景など、それぞれのパートはよく見えるのだが、写真全体ではアンバランスだ。

 これが第3世代iPhone SEになると、パリパリにコントラストを高めた写真ではなく、1枚の写真全体でのトーンを合わせるようになる。一見すると第2世代iPhone SEの方が見栄えがするのだが、第3世代iPhone SEは不自然に感じるシーンが少ない。

 第2世代、第3世代、どちらのiPhone SEも搭載するカメラモジュールは全く同じ(背面に1200万画素の広角カメラ1つ)であるため、これらの違いはSoCによる映像分析の掘り下げ、そこからくる画像処理の積極性、トーンマッピングの違いということになるだろう。ホワイトバランスの調整もかなり違うようだ。

 幾つか比較用に作例を撮影してみた。特に違うのは柚子の写真だろうか。皮の雰囲気がゴツゴツとしすぎる第2世代iPhone SEの写真は、コントラストをエンハンスし過ぎているからとも受け取れる。線路周囲の石の描写も第3世代iPhone SEの方が立体感があり、空と看板の対比では空の色があざとく青すぎるのが第2世代iPhone SEだった。同様の傾向はiPhone 11と13の違いでも存在する。


第3世代iPhone SEで撮影(クリックすると実寸表示)

第2世代iPhone SEで撮影(クリックすると実寸表示)

第3世代iPhone SEで撮影(クリックすると実寸表示)

第2世代iPhone SEで撮影(クリックすると実寸表示)

第3世代iPhone SEで撮影(クリックすると実寸表示)

第2世代iPhone SEで撮影(クリックすると実寸表示)

第3世代iPhone SEで撮影(クリックすると実寸表示)

第2世代iPhone SEで撮影(クリックすると実寸表示)

第3世代iPhone SEで撮影(クリックすると実寸表示)

第2世代iPhone SEで撮影(クリックすると実寸表示)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. ついに日本でも販売を開始したAIグラス「Ray-Ban Meta(Gen 2)」実機レビュー 完成度は高いが課題も
  2. 片手で持てる55万円の超ハイスペックミニPC「MINIX ER939-AI」が登場! 夏向け冷却台の新製品も
  3. 「実は社長を狙ってました(笑)」──元日本MS幹部が語るグーグル・クラウドへ移籍した理由と「伸び代しかない」日本のAI市場の今後
  4. デスクワークの疲労を“電動ストレッチ”でリセット 座面にファンを内蔵した次世代ワークチェア「Omni Pro」や大柄な人向け専用モデルがLiberNovoから
  5. 鉄道運転シミュレーターが楽しくなる! 「ズイキマスコンPRO」(クラファン版)を買って使ってみた
  6. スマートウォッチとの“2台持ち”がはかどる! 約12gで画面レスの「Google Fitbit Air」とパーソナルAIコーチの実力を試す
  7. 6台の機器を同時に急速充電できる「Anker Charger (112W, 6 Ports, GaN)」がセールで20%オフの3990円に
  8. 所有しているのに、手元にないように感じる不思議さ ミニスパコン「NVIDIA DGX Spark」と過ごした1カ月
  9. ロジクール、エルゴデザイン筐体を採用したスタンダードワイヤレスマウス
  10. 一部PCでWindows 11(バージョン 24H2/25H2)で5月のセキュリティ更新をインストールできない事象 今後の更新で解消予定(暫定回避策あり)