「最強のCPU×最高のGPU」+αは何をもたらす? ゲーミングノートPC「Alienware x17 R2」の“強さ”を知る(3/4 ページ)
デル・テクノロジーズが1月に発売したゲーミングノートPC「Alienware x17 R2」は、厚さ20.9mmのゲーミングノートPCとしては薄いボディーにCore i9-12900HKとGeForce RTX 3080 Ti Laptopを備える構成を選択できることが特徴だ。この記事では、これらのCPUとGPUを搭載する最上位モデル「スプレマシー」のカスタマイズモデルの実力をチェックしていく。
ベンチマークテストで実力をチェック!
Alienware x17 R2の実力はどれくらいのものか、ベンチマークテストを通してチェックしていこう。
今回は、比較対象としてCore i9-12900H(Pコア6基12スレッド+Eコア8基8スレッド)とGeForce RTX 3070 Laptopを搭載するゲーミングノートPC(16GB LPDDR5-5200メモリ、1TB PCI Express 3.0接続SSD)を用意している。
CINEBENCH R23
3Dレンダリングを通してCPUのパフォーマンスをチェックする「CINEBENCH R23」の結果は以下の通りとなった。
- Alienware x17 R2
- マルチスコア:1万8298ポイント
- シングルスコア:1905ポイント
- 比較対象
- マルチスコア:1万2384ポイント
- シングルスコア:1919ポイント
PCMark 10
続けて、PCの総合的なベンチマークテストアプリ「PCMark 10」の結果を見ていこう。
「Essentials」は日常使い、「Productivity」はビジネスにおける生産性、「Digital Content Creation」は静止画や動画といったマルチメディアコンテンツの制作能力をチェックするテストだ。特にDigital Content CreationはCPUやGPUの性能差がスコア差につながりやすい。
結果は以下の通りだ。
- Alienware x17 R2
- 総合:7859ポイント
- Essentials:1万1067ポイント
- Productivity:1万169ポイント
- Digital Content Creation:1万1706ポイント
- 比較対象
- 総合:7111ポイント
- Essentials:1万933ポイント
- Productivity:9765ポイント
- Digital Content Creation:9142ポイント
CrystalDiskMark 8.0.4
ストレージの読み書き速度をチェックするアプリ「CrystalDiskMark 8.0.4」でシーケンシャル(連続)データの読み書きをチェックした所、PCI Express 4.0接続のSSDを採用するAlienware x17 R2と、PCI Express 3.0規格のSSDを採用する比較対象で有意な速度差が見られた。
動画編集ソフトにおける動画の書き出しなど、シーケンシャル性能が求められる場面では、Alienware x17 R2のパフォーマンスは存分に生かせるだろう。
- Alienware x17 R2
- シーケンシャルリード(Seq1M Q8T1):毎秒6915.28MB
- シーケンシャルライト(Seq1M Q8T1):毎秒5191.83MB
- 比較対象
- シーケンシャルリード(Seq1M Q8T1):毎秒3347.06MB
- シーケンシャルライト(Seq1M Q8T1):毎秒3223.33MB
3DMark(Time Spy)
3DグラフィックスのパフォーマンスをテストするULのベンチマークテストアプリ「3DMark」では、WQHD(2560×1440ピクセル)の描画をDirectX 12 APIでテストする「Time Spy」を実行した。
比較対象も十分に高いスコアを記録しているが、Alienware x17 R2はそれを上回っている。
- Alienware x17(総合スコア):1万2217ポイント
- 比較対象(総合スコア):1万1133ポイント
FF14ベンチマーク/FF15ベンチマーク
実際のゲームをベースとするベンチマークテストとして、スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」と「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク(FF15ベンチマーク)」も試してみた。いずれもフルHD(1920×1080ピクセル)描画で、カスタム設定で最も負荷が高くなるように設定した際のスコアを収集した。
やはり、Alienware x17は高負荷の状態でもしっかりとパフォーマンスを発揮できている。極端に高負荷な設定とした場合でもこれだけのスコアを出せるので、フルHDゲーミングであれば不満を覚える場面はほとんどないはずだ。
- Alienware x17
- FF14ベンチマーク:1万9573(とても快適)
- FF15ベンチマーク:5275(やや快適)
- 比較対象
- FF14ベンチマーク:1万7034(とても快適)
- FF15ベンチマーク:4586(やや快適)
シャドウ オブ ザ トゥームレイダー ディフィニティブエディション
スクウェア・エニックスの「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー ディフィニティブエディション」を使って、フレームレートを計測してみた。設定のNVIDIA RTX DLSSの項目は「クオリティ」とし、グラフィック設定はプリセットの最高モードを適用して測定している。DLSSはWQHD以上の解像度で実質的な効果が出てくるとされていることに留意して結果を参照してほしい。
測定結果は以下の通りで、CPUとGPUの違いに見合った順当なスコアとなっている。
- Alienware x17 R2:毎秒157フレーム
- 比較対象:毎秒137フレーム
ファークライ6
最後にUbisoftの人気ゲーム「ファークライ6」に内包されたベンチマークテストでフレームレートをチェックしてみた。FF14/15ベンチマークと同様に、フルHD描画でカスタム設定を最も負荷を高くした状態で計測している。
Alienware x17 R2は、以下の通りCPUとGPUの優位性を生かせる良好な結果を残した。
- Alienware x17 R2:毎秒91フレーム
- 比較対象:毎秒80フレーム
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