レビュー

新たなモバイルPCの可能性を感じさせる「Zenbook 14X OLED Space Edition」を試す宇宙で活躍した「レジェンド」を称えるスペシャルモデル(2/5 ページ)

ASUS JAPANが、Zenbookシリーズの新モデルを発表した。その目玉となるのが、「CES 2022」で明らかになった「Zenbook 14X OLED Space Edition」だ。同社のノートPCが初めて宇宙に行ってから25周年を記念したモデルを、細かくチェックした。

「スペースグレード」の耐久性を備える約1.46kgのスリムボディー

 PCとしての仕様に目を向けてみよう。ボディーサイズは、約311.22(幅)×221.18(奥行き)×15.9~17.6(厚さ)mmと、いわゆるA4ファイルサイズだ。A4サイズの書類を入れるためのクリアケースなどとほぼ同じフットプリントで、厚みも最大で約17.6mmとスリムでかさばらない。

 そして、アルミニウム合金製のボディーの耐久性は「スペースグレード」だ。米軍の調達基準である「MIL-STD-810H」に加えて、宇宙で使用する機器に求められる米国標準規格である「SMC-S-016A」の仕様も一部満たすという。実際に手に持ってみると、確かに極めて高い剛性を感じることができ、安心してどこにでも持ち運ぶことができる。


付属するACアダプターはUSB PD(Power Delivery)対応の最大100W仕様で、端子はType-Cだ。実測サイズは約75(幅)×75(奥行き)×30(厚さ)mmで、実測の重量は約381gだった

バッテリー容量は62Whだ。公称バッテリー駆動時間は約7.4時間で、Processor Base Power(PBP)45WのCore i9-12900Hを搭載していることを考えれば健闘しているだろう

クラスを超えるぜいたくな基本スペック

 スリムなボディーでありながら、CPUには、Core i9-12900H(14コア20スレッド)を採用している。ノートPC向けの第12世代Coreプロセッサ(開発コード名:Alder Lake)の中でも、Hシリーズは本来もっと大きなフォームファクターのPCに搭載されることを想定された高性能モデルであり、14コア20スレッド、最大周波数は5GHzというパワフルな仕様をもつ。

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 外部GPUは備えておらず、CPU内蔵グラフィックス(Intel Iris Xe Graphics eligible)を利用する。メモリは、LPDDR5-4800を32GB、ストレージはPCI Express 4.0 x4対応のNVMe SSDを1TB搭載する。

 HシリーズのCPUを搭載しながら外部GPUを省いているのは、実用一辺倒で考えたらアンバランスに感じるかもしれない。ただ、コンシューマー向けの製品、「レジェンド」を称える目的のスペシャルモデルなのだからガチガチに考える必要はなく、プレミアム感のある内容といえる。詳細は後ほど述べよう。


CPUは、第12世代CoreプロセッサのHシリーズ(高性能のノートPC向け)のCore i9-12900Hを採用する。Pコアが6コア12スレッド+Eコアが8コア8スレッドの合計14コア20スレッドというパワフルな仕様だ

メモリも最新のLPDDR5-4800を採用する。容量は32GBで増設や換装は行えない

ストレージもPCI Express 4.0 x4対応のSSDを備える。評価機はSamsungのPM9A1を搭載していた

CrystalDiskMark(ひよひよ氏・作)のスコア。PCI Express 4.0 x4対応SSDとしても高速な部類に入る

外部GPUは搭載せず、グラフィックス機能はCPU内蔵のIntel Iris Xe Graphics eligibleを利用する

ユニークな配色のキーボードとタッチパッドを採用

 キーボードはアイソレーションタイプで、キーピッチが約19.05mm、キーストロークは約1.35mmという仕様だ。Enterキーの右にキーがあったり、カーソルキーや\キーが小さかったりと配列には少しクセがあるが、タイプ感はとても良い。


キーボードのキーピッチは約19.05mm、キーストローク約1.35mmある。少しクセがある配列だが、キートップにわずかなへこみがあって指を置きやすく、スイッチの感触も良好だ

キーボード右上にある電源ボタンは、他のキーとは色や高さ、押下圧を変えているので誤操作する心配はない。Windows Hello対応の指紋センサーを一体化しており、スピーディーにログインできる

白色LEDのキーボードバックライトを搭載している

タッチパッドは耐指紋コーティングされており、滑りがよく操作感がとても良い。LEDで浮かび上がるテンキー「NumberPad」も搭載している

 次に有機ELパネルやインタフェースを見ていく。

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