レビュー

新たなモバイルPCの可能性を感じさせる「Zenbook 14X OLED Space Edition」を試す宇宙で活躍した「レジェンド」を称えるスペシャルモデル(4/5 ページ)

ASUS JAPANが、Zenbookシリーズの新モデルを発表した。その目玉となるのが、「CES 2022」で明らかになった「Zenbook 14X OLED Space Edition」だ。同社のノートPCが初めて宇宙に行ってから25周年を記念したモデルを、細かくチェックした。

パワフルなパフォーマンスを実証

 ここからは、ベンチマークテストの結果を掲載する。MyASUSで設定できるモードは「パフォーマンス」で行っている。一部のテストについては、2021年モデルの「Vivobook Pro 14 OLED M3401QA」(Ryzen 9 5900HX搭載)をレビューした際のスコアを比較対象としても掲載した。


テストに利用した環境

ファンの動作モードは「パフォーマンスモード」を基本にテストした

 CINEBENCH R23のスコアは12342ptsだった。さすがにCore i9-12900Hのフルパフォーマンスとはいかないが、第12世代CoreプロセッサでもPBPが低いUシリーズやPシリーズのCPUでは届かないレベルのスコアはしっかりと出ている。ただ、ワンランク下のCore i7-12700Hでも出せるスコアでもあるので、Core i7-12700Hでもよかったのではないかという気はする。


CINEBENCH R23のスコア比較

 PCMark 10の総合スコアは比較対象に対してわずかに見劣っているが、第11世代Core以降のタッチパネル搭載機はProductivity(オフィス作業)の特定の項目で不当に低いスコアが出ることがあり、それが原因だろう。Essentials(日常操作)やDigital Content Creation(コンテンツ制作)では順当に上回っている。

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 アドビのクリエイティブツールを使ってコンテンツ制作を行うUL Procyon Benchmark Suitesでも健闘した。特にPhoto Editing(写真編集)では良いスコアをマークしており、外部GPUを持たないながらも、クラスを超えたパワフルなCPUを搭載しているアドバンテージが伺える。


PCMark 10のスコア比較

PCMark 10/Modern Office Battery Lifeのスコア。このテストのみMyASUSの設定でスタンダードモードで実施している

3DMarkのスコア比較

FINAL FANTASY XIV:暁のフィナーレベンチマーク(1920×1080ピクセル、標準品質)のスコア比較

UL Procyon Benchmark Suitesのスコア比較

放熱設計も優秀

 パワフルなCPUを搭載しているだけに動作音が気になるところだが、案外ノイジーな印象はない。さすがにパフォーマンスモードのピーク時の動作音は大きいが、負荷に敏感すぎるということもなく、ある程度空調機器の音がなどがある部屋であれば常用も現実的だろう。ウィスパーモードはもちろん、スタンダードモードでもかなり静音で使えるので、適宜切り替えて使うとよいだろう。

 発熱は、キーボードの一部やボディー左右の排気口付近は高温になるが、パームレストの発熱が抑えられているので、体感的にはそれほど熱いという感覚はない。放熱設計は総じて優秀だ。


ファンの動作モード別の動作音。本体手前から約5cm離れたところで計測している

ファンの動作モード別のCINEBENCH R23のCPUスコア

UL Procyon Benchmark Suites/Photo Editing終了直前にFLIR ONEで撮影したサーモグラフィ(室温28度)。キーボードの奥側は高温になるが、パームレストの発熱はうまく抑えられている。

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