Microsoft 365やTeamsをメタバース空間で利用可能に? 「足付きアバター」は難しい? 「Meta Connect 2022」基調講演で分かったこと(1/3 ページ)
Metaがメタバースに関するバーチャルイベントを開催した。目玉は新型の「Meta Quest Pro」なのだが、それ以外にも注目すべき発表もあった。マーク・ザッカーバーグCEOらが登壇した基調講演の発表内容をチェックしてみよう。
Metaは10月11日(米国太平洋夏時間)、バーチャルイベント「Meta Connect 2022」を開催した。このイベントでは、かねてより予告されていた新型VRヘッドセット「Meta Quest Pro」の他、ビジネス向けVR会議ソリューション「Meta Horizon Workrooms」やアバターの新機能に関する発表も行われた。
この記事では、Metaのマーク・ザッカーバーグCEOらによる基調講演の模様をまとめる。
ビジネスコラボレーションを加速する「Meta Quest Pro」
今回の発表において一番の目玉は、やはり「リモートで働く人々のコラボレート(協業)を加速するVRヘッドセット」であるQuest Proだろう。
発表に先立って、ザッカーバーグCEOは、物理的に近くにいなくてもメタバース空間でクリエイティブな作業を一緒に行えること、そしてHorizon Workroomなどメタバース空間向けのバーチャルオフィスもあることを強調した。一方で同氏は、メタバース空間での体験に“不満点”が残っており、Metaは技術の力で人と人とのつながり(Connect)をより良いものにすることに注力してきたと説明する。
VRヘッドセットがもたらす体験について、Metaは2020年に発売した「Meta Quest 2(Oculus Quest 2)」から多くのことを学んだという。今回発表されたQuest Proは、その成果を反映して「新しくデザインされたヘッドセット」なのだ。
Quest Proは「VRでできることを拡張するために開発した」という。外観は黒基調で、白を基調とするQuest 2とは対照的だ。パッと見で高級感が増したことも分かる。
特にユニークなのは、「史上初の湾曲したバッテリー」を後頭部側に搭載したことだ。Quest 2ではバッテリーがヘッドセット本体に搭載されていたため、装着していると前方にずり落ちて来るという課題があった。バッテリーを後頭部側に移すことで、重量における前後のバランスが取れるようになり、装着時の快適性が増したという。
ディスプレイ部には、特許取得済みのパンケーキレンズを搭載している。光をモジュール内で複数回屈折させることにより、Quest 2と比べると光学スタックが約40%薄くなった。
加えて、Quest 2のディスプレイと比べると、表示できる色域は約1.3倍、コントラストは最大75%。解像度(ppi)は約37%増加している。改良されたレンズも相まって映像をよりくっきり見られるようになったため、特にビジネス用途では不可欠である文字の視認性が向上したとのことだ。
Quest Proでは、Qualcommとのパートナーシップも特筆すべき内容である。SoC(プロセッサ)はVRヘッドセットへの搭載に最適化された「Snapdragon XR2+」で、改良された放熱システムと相まって、Quest 2比で処理パフォーマンスが最大1.5倍に向上している。
さらにコントローラーもリニューアルされている。左右のそれぞれに「Snapdragon 662」と3基のカメラを搭載し、Quest Pro本体から“独立して”空間内で自分の位置を把握できるようになっており、360度の可動域を確保できている。「Truetouch Haptics」によるフィードバックでメタバース内での経験もリアルに感じやすくなった。
コントローラーのグリップ下端には、スタイラスチップを入れておくこともできる。スタイラスチップをひっくり返せばペンのように描画できるため、メタバース内のホワイトボードやノートに筆記しやすくなるだろう。
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