まだ「VPN」を使っているの? ハイブリッドワークの課題を自ら解決する日本マイクロソフトの取り組み(1/3 ページ)
テレワークとオフィス勤務を組み合わせる「ハイブリッドワーク」。日本マイクロソフトはハイブリッドワークを実現するためのソリューションを提供すると同時に、自らもハイブリッドワークを実現するための試行錯誤を行っているという。ハイブリッドワークを成功に導くには、どのような事に気を付ければよいのだろうか。
日本マイクロソフトは11月18日、リアルとオンラインのハイブリッドセミナー「ハイブリッド ワーク 2022 シーズン 2~進化を続ける Windows 11 と Surface の最新情報~」を開催した。このイベントは6月に開催されたイベントの“続編”という位置付けで、人数限定ながらも日本マイクロソフトの品川本社(東京都港区)にも法人ユーザーや報道関係者を招いて行われた。
この記事では、セミナーのセッションのうち、同社“自身”のハイブリッドワーク(テレワークとオフィスワークを組み合わせた働き方)への取り組みに関する講演の模様の一部をお伝えする。
企業の活性化のカギは「従業員」
Microsoftはここ数年、社会の変化に対応すべくさまざまな取り組みをしてきたという。日本法人である日本マイクロソフトもその点は同様で、「従業員が生き生きと働ける、活力のある環境をどうやって構築していくのか、マネジメント層、経営層、メンバー(一般従業員)が力を合わせて日々試行錯誤している」とのことだ。
日本マイクロソフトと「コロナ禍」
コロナ禍において、日本マイクロソフトはMicrosoft(親会社)が定めるグローバルの基準に日本政府や都道府県が発出する各種情報を加味して出社制限を行った。
同社では2020年2月から在宅勤務を強く推奨する方針を打ち出し、出社が避けられない従業員(データセンターの管理担当者など)を除いてオフィスでの勤務を原則禁止とした。どうしてもオフィスに出向く必要がある従業員は、上長または経営層の承認を求めるようにした。
同社はコロナ禍以前からリモートワーク(在宅勤務)制度を整備しており、品川本社の従業員の出社率は7~8割で推移していたという。それが、先述の出社制限を講じてからは出社率は数%、多くても10%程度となったとのことだ。
その後、新型コロナウイルス感染症の状況を鑑み、2022年3月から出社制限を緩和し、オフィスでの勤務も可能とした。そして6月、コロナ禍前の体制に戻した……のだが、現在の出社率は2割弱にとどまり、以前の7~8割とまでは行っていない。
なぜ出勤率が低いままなのか。日本マイクロソフトの山崎善寛モダンワークビジネス本部長は、コロナ禍を受けた「住環境の移動(引っ越し)」や「リモートで働くのが当たり前という意識を持った新入社員の増加」などを理由として挙げている(同社では、出勤制限期間中は新入社員研修なども原則オンラインで実施したそうだ)。同社所属ながら海外から在宅勤務をしている従業員もいるという。
日本マイクロソフト(品川本社)では、2020年2月から全従業員のオフィス勤務を原則禁止し、出社が必要な場合は上長または経営層の許可を取るようにした。2022年3月からは在宅勤務を推奨しつつもオフィス勤務も許可するように改め、6月からはコロナ禍前の体制に戻し、外部からの来客も受け入れるようになった
勤務体制の変更前は70~80%で推移していた出社率だが、出社を原則禁止してからは一桁台(多くても10%程度)で推移するようになった。2022年3月には制限の一部緩和し、6月には制限を解除(元通りに)したが、出社率は多くても2割程度だという
関連記事
MicrosoftのナデラCEOが約4年ぶりに来日 日本企業にDXの必要性を説く理由
Microsoftのサティア・ナデラCEOが来日し、法人ユーザー向けの講演会「Empowering Japan's Future」の基調講演に登壇した。約4年ぶりの日本で、ナデラCEOはどのようなことを語ったのだろうか。「ハイブリッドワーク」時代にあるべきオフィスの姿とは? 日本マイクロソフトがリニューアルした品川オフィスをオンラインで公開
日本マイクロソフトがオンラインイベント「ハイブリッドワーク2022」を開催した。このイベントの中で、リニューアルが完了した同社の品川オフィス(本社)の様子が初めて公開されたので紹介する。個人向け「Microsoft Defender」提供開始 Microsoft 365 PersonalとFamily契約者向け
Microsoftが Microsoft 365 PersonalおよびFamily契約者向けに、「Microsoft Defender for individuals」の提供を開始した。「Microsoft 365」でWindows PCを快適に! 利用者も管理者もスマートなハイブリッドワークを実現する方法
ハイブリッドワークを前提にPCを導入する場合は、どのようなことを考慮すべきなのか――既存のWindows環境を生かしたい場合は「Microsoft 365 Business Premium」を組み合わて環境作りをすることをお勧めしたい。ハイブリッドワークに最適なWindows PCを選ぶポイントと合わせて紹介しよう。より快適なハイブリッドワークの実現に向けて――Microsoftが「Windows 365」「Windows 11」に実装予定の新機能を紹介
Microsoftが、ハイブリッドワークに焦点を当てた「Windows 365」「Windows 11」の新機能を紹介するイベントを開催した。そこで紹介された主要な新機能を紹介する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.