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まだ「VPN」を使っているの? ハイブリッドワークの課題を自ら解決する日本マイクロソフトの取り組み(2/3 ページ)

テレワークとオフィス勤務を組み合わせる「ハイブリッドワーク」。日本マイクロソフトはハイブリッドワークを実現するためのソリューションを提供すると同時に、自らもハイブリッドワークを実現するための試行錯誤を行っているという。ハイブリッドワークを成功に導くには、どのような事に気を付ければよいのだろうか。

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ハイブリッドワークの課題は「エンゲージメント」と「活性化」

 目まぐるしく変わっている世の中で、いや応なしに会社も変化を求められている。働く場所を問わないハイブリッドワークを定着させる上で、課題の1つとして従業員とのエンゲージメント(関係性)をどう保っていくかという点が挙げられる。

 多様性のある場所で、高い生産性を保ち続けるということは思っている以上に難しい。上司や他の従業員と交流するチャンスが減ってしまうため、職場へのロイヤリティー(忠誠心)も低下しやすくなる。上司との「1on1(面談)」や会議はオンラインで済むため、オフィスの在り方も問い直さなければならない。事業環境が目まぐるしく変化する中で、自発的な「学びの場」を確保するのも課題である。

 日本マイクロソフトでは、これらの課題を自社ソリューションを活用することである程度解決しているという。

課題
ハイブリッドワークで生じがちな課題を、自社のソリューションを使って試行錯誤しつつ解決していっているという。ある意味で「モノを売るなら、まずは自らが率先して活用する」の典型例ともいえそうだ
多様化する職場環境
これはMicrosoftグループの全世界の従業員の多様性を示した図。2022年は過去5年間で一番多様化が進んだ年とのことで、日本マイクロソフトでも部署によっては従業員の女性比率が50%を超えたそうだ

 先ほどの出社率を見れば分かる通り、日本マイクロソフトのハイブリッドワークは、どちらというと在宅勤務を“主”とする傾向にある。そんな中でも、やはり「出会う場所」としてのオフィスは非常に重要だと考えているという。6月に完成した品川本社のリニューアルでは、当初の計画を一部変更し、従業員が来て楽しめるオフィス従業員同士がコラボレーションしやすいオフィス作りを行った(詳細は別の記事で確認してほしい)。部署によっては、同僚がリアルで顔を合わせる機会を作るために「オフサイトミーティング(懇親会)」も行っているという。

 長く勤務している従業員にとって、オフサイトミーティングは「久しぶりに同僚や上司に出会う場所」として機能する。しかし、特にコロナ禍が始まった後に入社した従業員にとっては、この場で“いきなり”顔合わせをすることになるため、面をくらってしまうこともあることは否定できない。

 そこで、同社では自社のノーコード/ローコードプログラミングツール「Power Apps」を使って、従業員のプロフィールを確認できる社内Webアプリ「Buddy Hub」を作成した。Buddy Hubでは、社内の従業員のプロフィールを顔写真と共に確認できるようになっている。これから会うメンバーのことを軽く「予習」しておけば、顔合わせの際に生じる緊張感も幾分緩むかもしれない。

オフィスの在り方
オフィスの在り方の見直しという観点では、日本マイクロソフトは2022年6月までに品川本社のオフィスリニューアルを完了させた。詳細は別記事に譲るが、元々予定していたリニューアル内容を、社会情勢の変化を受けて一部変更している
Buddy Hub
リアルで顔合わせする機会が減ってしまったことを受けて、社内メンバーを知るためのWebアプリ「Buddy Hub」を開発した。このアプリPower Appsを使って作られているという

 学び直しという観点では、企業向けコミュニケーションサービス「Microsoft Viva」を活用しているという。

 VivaはSNS機能に注目が集まりがちだが、ビジネスに必要な学習を援助する「Vivaラーニング」というハブ機能も装備されている。VivaラーニングはMicrosoftやサードパーティーが提供する学習コンテンツをまとめられるようになっている。大きな手間を掛けずに、従業員のスキルアップ機会を提供できる点で便利である。

Viva
Microsoft Vivaには、学習コンテンツのハブ「Vivaラーニング」が統合されている。日本マイクロソフトでは、これをうまく活用して「Viva!学習ひろば」というページを作っている
Viva
Vivaの解析ツール「Vivaインサイト」は、うまく活用すると自分のハイブリッドワークの“質”をチェックできる。「時間の無駄遣い」や「コミュニケーションの密度」など、働き方の気付きを得やすい

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