HDMI 1.0の登場から20年 8K時代の「HDMI」はどうなる?:HDMI2.1a対応ディスプレイは23年に登場(3/3 ページ)
TVやレコーダー、PCなどに付いている「HDMI端子」。この端子の元になっているHDMI規格を管理している法人が「HDMI Licensing Administrator(HDMI LA)」だ。同社のロブ・トバイアスCEOが来日し、HDMI規格の現状と将来について解説するセミナーを開催した。その中で興味深かった内容をかいつまんでご紹介する。
2023年に「マイナーバージョンアップ」 バージョンは「不明」
かなりの機能拡張が図られたHDMI 2.1/2.1aだが、今後どのような進化を遂げていくのだろうか。
トバイアスCEOによると、2023年は規格のマイナーアップデートを計画しているという。ただし、それが「HDMI 2.1b」になるのか、「HDMI 2.2」になるのか、はたまた「HDMI 3.0」になるのは明らかにされなかった。
セミナーでは短時間ながら質疑応答も行われたので、本件に関連するやりとりを紹介する。
2023年にはHDMI規格のマイナーアップデートを予定している他、HDMI LAからライセンスを得るために必要な手続きをWebベースで行える仕組みの立ち上げや、主に開発者を対象とするリアルイベントも実施していく予定だという
―― 本来はHDMI Forumに聞くのが良いのかもしれませんが、HDMIのバージョンについて質問があります。HDMI 2.1では機能的な進化が大きかったにも関わらず、HDMI 2.0から番号がわずか「0.1」しか増えていません。本来なら「HDMI 3.0」にしても良かったほど(の進化)だと思うのですが、どういうポリシーでバージョン番号を付けているのですか。
トバイアスCEO 難しい質問であると同時に、いい質問だと思います。確かにちょっと混乱する所はありますよね。
私がHDMI LAに入社した時には、既に「HDMI 2.1」という名前に決まっていました。(なので)個人的には答えを持ち合わせていません。
―― (先の質問に関連して)「2.1から2.2……」と刻んでいくのか、一気に「3.0に進めて次は4.0」という風にしていくのか、今後のHDMIのナンバリングはどうしていこうと考えていますか。
トバイアスCEO HDMI Forumでの活動内容は機密事項となっております。なのでお答えするのが難しい所ですが、パネルやチップを供給するメーカーと協議を重ねながら検討を重ねています。現状の規格に準拠する機器の普及状況をにらみながら(検討している)、と理解しています。
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