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Alder Lakeより前の人は今すぐアップデートすべき! ASUSの高コスパマザーボードで20万円以下の“使えるPC”を組んで分かったこと節約するなら「マザーボード」?(1/3 ページ)

為替レートの影響もあって、最近はCPUを始めとするPCパーツの割高感が増す傾向にある。「それでも、最新世代のCPUを使って自作PCを作りたい!」という人は、マザーボードに着目すると予算を節約できるかもしれない。この記事では、ASUS JAPANの「PRIME Z790-A WIFI-CSM」で“強くて手頃”な第13世代Coreプロセッサ搭載自作PCを作ってみようと思う。

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 IntelとAMDから新しいデスクトップ向けCPUが相次いで発売された。両社共に魅力的なCPUを繰り出していることもあって、「そろそろ自作PCを組んで(リプレースして)みようかな……」と考えている人も少なくないだろう。

 ただ、これらを使って自作PCを組み立てようとする際にハードルとなりうるのがCPUを含むパーツの価格だ。

 少し前より緩和こそされているが、昨今は為替の円安傾向が続いており、その影響でパーツの価格も以前より割高感があることが多い。とりわけマザーボードは、装備するポートを増やしたりコンデンサーなどのパーツを高級化する傾向にあり、特にハイエンド製品では10万円を超える値付けも珍しくなくなった。

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 グラフィックスカード(GPU)については、需要過多に起因する割高感こそ薄れてきた。それでも、ひと昔前と比べると「高い買い物」の度合いが高まっている(もちろん、その分性能も上がっているのだが)。

 無限に予算がないとなると、どのパーツの予算(≒スペック)を抑えるべきかを考えるのが一番重要なポイントとなる。その際に、一番しっかりと検討すべきなのがマザーボードである。この記事では、ASUS JAPAN製のマザーボード「PRIME Z790-A WIFI-CSM」(税込み実売価格5万円台前半)を使って、コストパフォーマンスを重視した第13世代Coreプロセッサを搭載する自作PCを考えていこうと思う。


その名の通り、ASUS JAPANの「PRIME Z790-A WIFI-CSMPRIME Z790-A WIFI-CSM」はビジネス用途を想定して安定度を重視した「ASUS Corporate Stableモデル」で、Wi-Fiモジュールも標準搭載している

ビジネスを意識しつつもスタイリッシュかつ高機能なマザーボード

 実際にPCを構築する前に、今回利用するPRIME Z790-A WIFI-CSMの特徴を簡単に紹介していこう。

 ASUSのブランドのマザーボードには、いくつかのシリーズとグレードがある。最近よく聞くのは、ゲーミング用途向けの「ROG(Repubulic of Gamers)」ブランドの製品だと思うが、こちらは「仕様の豪華さ」や「オーバークロックへの耐性強化」を重視する傾向にある。

 それに対して、「PRIME」ブランドの製品はオールラウンド(スタンダード)という位置づけで、ROGブランドと比べると“派手さ”はない。しかし、実用上十分な拡張性はしっかりと備えている。

 そしてこの製品のモデル名に付いている「CSM」は「Corporate Stable Model」の略、つまり企業利用に求められる安定性を重視した構成であることを意味している。最近は「自作≒ゲーミング」という図式で語られがちだが、ビジネスでの利用にも最適なチューニングがなされているということは心強い。


PRIMEブランドのマザーボードはオールラウンド設計で、PCをあらゆる用途で使う人に最適という位置付けである。今回レビューするPRIME Z790-A WIFI-CSMはビジネス向けに安定性を重視した構成となっており、企業向けの管理ダッシュボードアプリ「ASUS Control Center Express」での管理/モニタリングにも対応する

アンロック対応CPUでも安心な電源設計

 第13世代Coreプロセッサ、特に名前に「K」の付くアンロック対応モデルでは、フルパワー動作時の消費電力は200Wを超え、CPUの発熱も100度近くに達する。そのため、マザーボード側の電源回路や冷却設計がしっかりしていないと「K」付きCPUの高負荷での安定稼働は難しい。

 オールラウンドモデルではあるが、PRIME Z790-A WIFI-CSMはIntelの最新かつ最上位のチップセット「Intel Z790」を搭載している。そのこともあってか、CPUへの電源回路は「16+1フェーズ」設計で、それを冷却するための大型ヒートシンクも標準で装備している。「K」型番のCPUをフルに生かした使い方にも対応可能だ。


CPU電源回路は16+1フェーズ設計で、冷却するためのヒートシンクも大きいものを備える。消費電力の大きいアンロック対応CPUでも安心して利用可能だ

SSD用M.2スロットは4基搭載!

 最近、ゲーミング向けの自作シーンではホワイト(白)を基調としたコーディネーションの流行が継続している。もちろん、ROGブランドのマザーボードにもホワイトモデルが用意されているのだが、超ハイエンドモデルなので簡単には手が届かない。

 その点、PRIME Z790-A WIFI-CSMの税込み実売価格は5万円台前半と、まだ手が届く値段となっている。「白でそろえたいけれど、値段が……」という人にはある意味で福音のようなマザーボードである。

 「拡張性は大丈夫?」と思うかもしれないが、ハイエンドモデルに引けを取らない拡張性をしっかりと確保している。SSDを搭載するためのM.2スロットは、合計で4基備えており、いずれもより高速なPCI Express 4.0 x4接続をサポートしている(※1)。SSD用ヒートシンクも標準搭載されているので、放熱もバッチリだ。

 これだけのM.2 SSDを搭載できるのであれば、Serial ATA(SATA)接続の2.5インチ/3.5インチストレージを省いて「コンパクトかつハイスペックなマシン」を構築することも可能だ。

(※1)うち2基は「Type 22110」カードに対応。別の1基はSerial ATA接続にも対応


SSD用のM.2スロットは4基用意されている。うち1基(スロット1)はCPU直結で、残りはZ790チップセット経由での接続となるが、いずれもPCI Express 4.0 x4に対応している。スロット1とスロット3は長尺のType 22110カードも装着可能で、スロット4はSerial ATA接続のモジュールも利用できる
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