プロ向けGPUをさらに強化 「NVIDIA RTX Ada」にモバイル/コンパクトデスクトップ向け登場
NVIDIAのワークステーション向けGPU「NVIDIA RTX Adaシリーズ」に、モバイルワークステーション向け製品とコンパクトデスクトップワークステーション向け製品(グラフィックスカード)が登場する。旧世代アーキテクチャの製品も併売することで、ラインアップ全体の若返りが図られている。
NVIDIAは3月21日(米国太平洋時間)、Ada Lovelaceアーキテクチャを採用するエンタープライズ向けGPU「NVIDIA RTX Adaシリーズ」のラインアップを拡充した。新たにモバイルワークステーション向け製品とコンパクトなグラフィックスカードを投入することで、より快適なAI(人工知能)やグラフィックス環境を提供する狙いがある。
モバイルワークステーション向け(3月から順次投入予定)
モバイルワークステーション向けのNVIDIA RTX Adaシリーズは、Ampereアーキテクチャを採用する製品と比べると、全体パフォーマンス、効率性やレイトレーシング処理パフォーマンスが最大で2倍、DLSS 3(Deep Learning Super Sampling 3)を利用した超解像処理のパフォーマンスが最大4倍に引き上げられるという。搭載製品は3月から順次発売される予定だ。
ラインアップは以下の通りとなる。
- NVIDIA RTX 2000 Ada generation
- CUDAコア:3072基
- RTコア(第3世代):24基
- Tensorコア(第4世代):96基
- グラフィックスメモリ:8GB(GDDR6規格/128bit幅)
- メモリアクセス速度:毎秒256GB
- 消費電力:35~140W
- NVIDIA RTX 3000 Ada generation
- CUDAコア:4608基
- RTコア(第3世代):36基
- Tensorコア(第4世代):144基
- グラフィックスメモリ:8GB(GDDR6規格/ECC対応/128bit幅)
- メモリアクセス速度:毎秒256GB
- 消費電力:35~140W
- NVIDIA RTX 3500 Ada generation
- CUDAコア:5120基
- RTコア(第3世代):49基
- Tensorコア(第4世代):160基
- グラフィックスメモリ:12GB(GDDR6規格/ECC対応/192bit幅)
- メモリアクセス速度:毎秒432GB
- 消費電力:60~140W
- NVIDIA RTX 4000 Ada generation
- CUDAコア:7424基
- RTコア(第3世代):58基
- Tensorコア(第4世代):232基
- グラフィックスメモリ:12GB(GDDR6規格/ECC対応/192bit幅)
- メモリアクセス速度:毎秒432GB
- 消費電力:60~175W
- NVIDIA RTX 5000 Ada generation
- CUDAコア:9728基
- RTコア(第3世代):76基
- Tensorコア(第4世代):304基
- グラフィックスメモリ:16GB(GDDR6規格/ECC対応/256bit幅)
- メモリアクセス速度:毎秒576GB
- 消費電力:80~175W
コンパクトグラフィックスカード(4月発売予定)
「NVIDIA RTX 4000 SFF Ada Generation Graphics Card」は、デスクトップワークステーション向けGPU「NVIDIA RTX 4000 Ada」を搭載するグラフィックスカードとなる。「SFF(Small Form Factor)」の名前の通り、ロープロファイルのPCI Expressスロットにも搭載できるサイズとしたことが特徴だ(厚みは2スロット分)。
4月から菱洋エレクトロを始めとする販売代理店を通して単体販売される他、主要なPCメーカーから搭載製品も発売される。単体販売時の想定販売価格は1250ドル(約16万3000円)となる。
NVIDIA RTX 4000 Adaの主なスペックは以下の通りとなる。
- CUDAコア:6144基
- RTコア(第3世代):48基
- Tensorコア(第4世代):192基
- グラフィックスメモリ:20GB(GDDR6規格/ECC対応/160bit幅)
- メモリアクセス速度:毎秒320GB
- 接続インタフェース:PCI Express 4.0x16
- 映像出力:Mini DisplayPort 1.4×4
- 消費電力:70W
関連記事
NVIDIA、Ada Lovelaceアーキテクチャを採用したプロクリエイター向けGPU「NVIDIA RTX 6000」を発表
NVIDIAは、最新のNVIDIA Ada Lovelaceアーキテクチャを採用したワークステーションGPU「NVIDIA RTX 6000」の発表を行った。NVIDIAが「GeForce RTX 40シリーズ」を発表 新アーキテクチャ「Ada Lovelace」で最大4倍高速に
NVIDIAがゲーミングやクリエイター向けの新型GPUを発表した。新しいGPUアーキテクチャを採用することで、先代アーキテクチャと比べて性能が最大で4倍となったことが特徴だ。プロ向けの「NVIDIA RTX A4000」が個人ユースでも売れている理由
プロ向けの「NVIDIA RTX A4000」が、ゲーム用途を含む個人ユースで売れているという。また、ゴジラとコラボしたGeForce RTX 3070搭載カードが登場するなど、グラフィックスカードが盛り上がっている。NVIDIAがプロ向けGPU「RTX A4000」「RTX A5000」を発表 モバイル向け製品も用意
NVIDIAが、プロフェッショナル向けGPUの新製品を発表した。デスクトップワークステーション/データセンター向け製品には下位製品が追加される一方、モバイルワークステーション向けは上位製品のアーキテクチャをAmpereに移行する。プロ向けGPUもAmpereアーキテクチャを採用! 「NVIDIA RTX A6000」「NVIDIA A40」登場
コンシューマー向けの「GeForce RTX 30シリーズ」に続き、NVIDIAのプロフェッショナル向けGPUもAmpereアーキテクチャに移行する。ただし、従来とは異なり「Quadro(クアドロ)」ブランドは冠さずに展開される。【訂正】
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.