連載

ライト内蔵の屋外用ネットワークカメラ「Ring Spotlight Cam Plus」をじっくり試して分かったこと山口真弘のスマートスピーカー暮らし(2/3 ページ)

スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする本連載。今回はRingのネットワークカメラ「Ring Spotlight Cam Plus」を長期使用して分かったことをまとめた。

※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

センサーライトはモーション検知と連動 手動点灯にも対応

 さて、本製品ならではの機能として注目したいのは、センサーライトだ。本製品はナイトビジョンを搭載し、夜間でも撮影を行えるのだが、それに加えてセンサーライトを内蔵し、照明を点灯させての撮影も行えるという二段構えの設計になっている。

 もっとも、このセンサーライトは録画のための補助照明というよりは、最近の一軒家ではよく見かける、玄関先に誰かが侵入してきた場合に照明を点灯させるという、セキュリティ用途を念頭に置いた機能だ。手動での点灯も可能なので、活用の範囲は広い。


照明を手動でオンにするには、カメラ設定画面の右上にあるスイッチをタップする

照明がオンになった。光量の変更は別画面で行える

左右にそれぞれ4つ、計8つのLEDを内蔵していることが分かる

照明はセンサーで点灯させる以外にスケジュール設定も可能だ(左)。ただし、バッテリー駆動では利用できない。曜日や時間帯などを詳しく指定できる(中央)。日没や日の出の時刻に合わせることも可能だ(右)

 なお、このセンサーライトは前述のモーション検知と連動する。動きを検知したら照明が点灯し、同時にアプリに通知が飛んでくるという流れだ。試しに前述のゾーン設定を施した状態で、ゾーンにゆっくり足を踏み入れたり、すばやくサッと入ったりといった動作を行ってみたが、かなり正確に検知して点灯する。

advertisement

 モーションは1度検知するとしばらく通知しなくなるので、出たり入ったりという繰り返しの動作には追い付かないが、侵入者に対する威嚇としては十分に実用的だ。いずれにせよ、ゾーン設定をしっかり行っておくことが大前提になる。

 本製品はバッテリー駆動ゆえ、あまり照明を使いすぎるとバッテリーの消費につながるので注意したい。照明によるバッテリーの消費を抑える方法としては、ライトの明るさを設定で下げる、モーション検知の頻度自体を下げるなどの方法が考えられる。

 ちなみに日没や日の出と連動してオン/オフさせたり、時間帯を指定して常時オンにしたりするスケジュール設定にも対応するが、これらはバッテリー駆動時は利用できない。それだけ多くの電力を消費するということだろう。なお本製品の明るさは最大375ルーメンとかなり明るいが、バッテリー駆動時はこの明るさ自体が制限されるので気をつけたい。

2つのバッテリーの挙動および持ち時間をチェック

 本製品は以前紹介したドアベルと違い、バッテリーを2個内蔵できる。このバッテリーがどの程度持つかも気になるところだ。

 バッテリーは標準で1個付属しており、もう1個は買い足す必要がある(3480円)。もちろん1個でも駆動はできるのだが、ダウンタイムなしで運用するには2個必要なので、よほどの事情がない限りは買い足した方がよいだろう。


本製品は2つのバッテリーを内蔵できる。パッケージに付属するのは1つだけなので、買い足しは事実上必須だ

 このバッテリーを2つを同時に挿入した状態では、片方のバッテリーがより早く減っていく。もし2つ同時に減っていくようであれば、どちらを交換すべきか判断しづらいが、この仕様ならば一目瞭然だ。

 では優先して使われるバッテリーに法則性はあるのだろうか。試しに残量が少ないスロット1側のバッテリーを抜き、残量が多いスロット2側のバッテリーだけが認識される状態にした後、再びスロット1にバッテリーを挿したところ、スロット1のバッテリーが減り始めた。

 続いて両方をスロットから抜き、スロット1に残量の多いバッテリー、スロット2に残量の少ないバッテリーを再装着したところ、今度は残量の多いスロット1側のバッテリーが消費され始めた。これを見る限り、スロット1側が優先的に消費される設定であるように見える。

 現状では目くじらを立てるほどではないのだが、どちらかというとスロットと無関係に、残量が少ない側を優先して使う仕様の方が、交換のタイミングが図りやすい。せっかく2つのバッテリーを使える以上、このあたりのアルゴリズムは将来的に見直されてほしいものだ。


バッテリーの残量はアプリで確認できる(左)。これとよく似ているのがアプリの「電源設定」の画面(中央)。こちらは電力消費に関係する各機能へのショートカットが用意されている。スナップショット機能など、不要な機能はオフにしておくことで電力消費を抑えられる(右)

 気になるバッテリーの減り具合だが、1日に数回通知が飛んでくる環境で1カ月放置しておいて約20%の減少だったので、2つのバッテリーを合わせれば、1年はさすがに無理でも半年程度は持つ計算だ。前回紹介した「SwitchBot 屋外カメラ」と完全な同一条件で試用したわけではないが、体感的には本製品の方が、バッテリーの消費は緩やかに感じられた。

 なおバッテリーの交換時、バッテリーを覆っているキャップを半回転させて取り外す時に、カメラ本体の角度が変わってしまいやすい。またキャップにあるネジを緩める段階でも角度が変わりやすい。

 これを防ぐには、カメラの支柱にあるネジをなるべく強めに締めつけ、キャップをひねる動作に影響されにくいようにしておきたい。カメラの角度が変わると、モーション検知の設定エリアがずれてしまい、おかしな通知が飛んでくる可能性があるからだ。


バッテリーを入れ替えるには、まず本体下部のカバーをひねる

そのまま下に抜くことでカバーが外れる

バッテリーのレバーを指でつまんで下に引き抜く。ちなみに、向かって右のスロットが1番、左が2番だ(底面に番号の記載もある)

バッテリーを充電するための専用ステーション(画像はAmazon.comより)。現時点では残念ながら日本での取り扱いはない

 最後に、本製品の盗難防止策を見ていく。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.