ネットワークカメラの新しい選択肢! 球形ボディーの「SwitchBot 屋外カメラ」を使ってみた(前編):山口真弘のスマートスピーカー暮らし(1/2 ページ)
スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする本連載。今回はSwitchBotの屋外カメラを使ってみよう。
ここのところネットワークカメラで1つのトレンドとなっているのが、バッテリーを内蔵し、屋外で駆動できるモデルだ。
玄関先だったり駐車場だったりと、自宅の外の様子をカメラで見たいというニーズはかつてからあったが、防水回りの問題に加えて、屋外に設置しようとすると電源の供給がネックになるという致命的な問題があった。
しかし、これらのカメラは大容量のバッテリーを内蔵することで、数カ月程度は充電不要での利用を可能としている。これならば、配線工事をすることなく、屋外への設置と利用が行えるというわけだ。
こういったカメラとしては、「Google Nest Cam」やAmazonの「Ring Spotlight Cam Plus」など、スマートスピーカーの製造元が手掛けた製品が有名だが、他にも選択肢は登場しつつある。
今回はその1つ、2022年夏に登場したSwitchBotの屋外カメラを前後編に渡って紹介する。
球形で角度調節は自在だが思わぬリスクもあり
本製品は、球形のユニークな形状が特徴的だ。直径は約86mmということで、野球の硬球よりは大きく、ソフトボールの2号球や3号球よりは小さい。手のひらにすっぽり隠れてしまうわけではないが、片手で十分に握れるサイズだ。
製品には、このボール状の本体を支える台座が付属しており、それを壁にネジ止めした上で、本体をはめ込んで利用する。こうした構造ゆえ、本製品は角度を自由自在に調節できる。ボールジョイントのジョイント部が、そのままカメラになっていると考えれば分かりやすいだろう。
また本製品はバッテリーの取り外しができず、背面のUSBポートから内蔵バッテリーを充電する仕組みを採用している。しかし、台座からの着脱はワンタッチで行えるので、宅内に持ち込んでの充電も、また充電完了後の再取り付けも簡単だ。こうしたオペレーションの容易さは強みといえる。
一方でこういた本製品の着脱の簡単さは、第三者によって持ち去られる危険性もあるわけだが、本製品はこうしたリスクへの備えはほぼない。
これが例えばGoogle Nest Camだと、吸着力が強いため容易に取り外せない上、盗難届が受理されているなどの条件を満たせば、メーカーによる交換手続きを受けられる。一方のRing Spotlight Cam Plusは、壁面にネジ止めしたベース部に取り付けた後、さらにネジで固定する仕組みゆえ持ち去りは困難であり、こちらも盗難時の交換プログラムが用意されている。
両製品ともに録画データはクラウドに保管されるので、盗難などのトラブルにあったとしても、その瞬間までのデータは保全される。視野角の広さを考えると、犯人の姿が映り込む確率は高く、それだけに製品の素性が広く知れ渡るにつれ、盗難などのトラブルに遭遇する確率はさらに低くなっていくと考えられる。
しかし本製品の場合、交換手続きなどのプログラムは用意されておらず、クラウド録画のオプションを契約せず本体内のメモリカードに保存することも可能なので、その場合は本体を持ち去られると同時に録画データそのものが見えなくなってしまう。
盗難防止の機能としては唯一、Gセンサーを用いた盗難警戒システムがファームアップで追加されると予告されているが、発売から半年が経過した現在でも搭載に至っていない。持ち去られるリスクは競合製品と比べて高いにもかかわらず、現時点ではほぼノーガードと言っていい状態だ。
こうした特徴を考慮すると、本製品はなるべく目立たない場所に設置するのがベターということになるが、そうなるとカメラを目立たせて侵入者に警戒心を抱かせるという、防犯カメラのもう1つの役割が果たせなくなる。カメラ自体は見える位置に設置し、一方で手が届かないよう高所に設置するとなると、充電にあたっての取り外しが面倒になってしまう。
このように、リスクを考えると設置場所にかなりの制限がつくのが、本製品のウィークポイントだ。現状では、玄関に設置するにしても奥まった場所に設置し、第三者に対して存在をアピールしつつも手が届かないよう配慮するしかないだろう。またクラウド録画プランを契約し、盗難に遭ってもデータだけは守れるよう対策しておくべきだ。これらを許容できるかが、本製品に向くかどうかの1つのポイントとなるだろう。
続いて、セットアップに取りかかる。
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