JEITAが「バッテリ動作時間測定法(Ver. 3.0)」を公表 駆動時間を「動画再生時」「アイドル時」の併記に
電子情報技術産業協会(JEITA)が、ノートPC/タブレットのバッテリー駆動時間の測定法を約9年ぶりにリニューアルすることになった。昨今ノートPC/タブレットの使われ方が多様化していることを受けて、「動画再生時」「アイドル時」の駆動時間を併記することを原則としたことが特徴だ。
電子情報技術産業協会(JEITA)は5月31日、「JEITA バッテリ動作時間測定法(Ver. 3.0)」を公表した。この測定法は、JEITA加盟メーカーが12月1日以降に発売するノートPCから順次適用される(※1)。
(※1)1年程度は現行の測定法(Ver. 2.0)での測定値が併記される場合がある
改訂の概要
「JEITA バッテリ動作時間測定法(JEITA 測定法)」は、ノートPCのバッテリー駆動時間の測定方法の統一基準として2001年に初版(Ver. 1.0)が策定された。現行版(Ver. 2.0)は2014年に改訂されたものだ。
近年はノートPCやタブレットの利用条件/状況の多様化が進み、現行の測定法は「全てのユーザーに合致する測定法(基準)とはいえないのではないか」という指摘もあった。そこで今回の新バージョンでは、「測定基準の統一」という趣旨を維持しつつ、バッテリー駆動時間の「平均値」ではなく、「動画再生時」と「アイドル時」の併記とすることで、利用シーンごとの駆動時間をイメージしやすくする。
新しい測定法の主な測定条件は以下の通り。
- 音声のボリューム:ヘッドフォン接続時は「50%」(本体スピーカーは最低も可)
- 画面輝度:200ニト以上(画面全体に白色を表示した際の輝度、※2)
- Wi-Fi(無線LAN):アクセスポイントに接続すること(非搭載の場合を除く)
- その他無線機能(Bluetooth、モバイル通信など):オフでも構わない
- 動画再生アプリ:プリインストールのものを利用(※3)
(※2)最大輝度が200ニトに満たない場合は、最大輝度で測定
(※3)プリインストールのものがない場合は、一般ユーザーが入手できるアプリを使う
出荷状態で充電能力を抑制している(≒バッテリーの満充電を抑止する機能が有効な)場合、その状態における駆動時間を測定/表示しても構わないとされているが、その旨を表記しなければならない。その他、測定時に設定を変更している場合は、その旨も明記する必要がある。
その上で、アイドル時はJEITAが指定する壁紙(JPEG形式)を表示して電源オフになる(または強制的に休止状態に入る)までの時間を、動画再生時はJEITAが指定する4K動画(MP4形式)を繰り返し再生して電源オフになる(または強制的に休止状態に入る)までの時間を計測する。
計測した測定時間は、原則として動画再生時とアイドル時の併記が求められる。ただし、カタログなどで表記スペースが限られる場合に限り、動画再生時のみの記載も認められる。それでも、Webサイトなど表記スペースに余裕のある媒体では動画再生時とアイドル時の併記が必要だ(≒アイドル時の測定は省けない)。
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