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2560×1600ピクセル対応の「LG gram +view 16MR70」は従来モデルの弱点を克服したユニークな16型モバイルディスプレイだモバイルディスプレイの道(2/3 ページ)

16型では2560×1600ピクセル表示に対応と、モバイルディスプレイではユニークな存在となるのがLGエレクトロニクス・ジャパンの「LG gram +view 16MR70」だ。従来モデルとの違いなどを細かくチェックした。

縦置きにも対応 新たに最大45Wのパススルー充電もサポート

 では実際に使ってみよう。

 USB Type-Cポートは、本体の左右両方に1基ずつ搭載されており、機能的には違いがない。そのため、接続先のデバイスの配置に合わせて、どちらのポートにケーブルをつないでも利用できる。

 本製品は有機ELではなく一般的なIPS液晶だが、発色はかなり鮮やかだ。DCI-P3のカバー率が99%と、広色域に対応しているだけのことはある。また従来モデルと同じく斜め方向から見た時の色の変化も少なく、色にこだわりのあるユーザーにお勧めできる。

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接続はUSB Type-Cポート一択で、HDMI接続には非対応だ

USB Type-Cケーブル1本で接続できる。ポートの配置が下寄りなので手などに引っかかりにくい

USB Type-Cポートは右側面にもある。どちらと接続しても構わない

レノボ・ジャパンの14型モバイルPC「ThinkPad X1 Carbon(2019)」(左)と並べた状態。縦方向にかなり広いことが分かる

斜め方向から見た時の色の変化の少なさは、モバイルディスプレイの中でもトップクラスだ

ノートPCの真横に並べるとケーブルのコネクターが干渉するが、その場合は接続先を反対側のUSB Type-Cポートに切り替えれば済む

背中合わせにしてプレゼンなどにも利用できる。配線の自由度も高い

縦向きで設置する場合は、ボタン(後述)のある右側面側が上になる。反対向きだとスタンドに吸着しない

ベゼル幅は左右および上ともに実測で7mmだった。ベゼルと画面の間には段差がある

 さて本製品の大きな特徴として、パススルー充電をサポートしたことが挙げられる。本製品にUSB PD充電器を接続することで、本製品経由でノートPCなどを充電できる機能だ。従来モデルは、せっかくUSB Type-Cポートを2基搭載していながらパススルー充電には非対応と、宝の持ち腐れだったので、本製品で新たにサポートしたのは大きな強みだ。

 ところで、こういったパススルー充電に対応した製品は最近増えつつあるものの、実際に使おうとすると出力が足りず、PCを接続しても電源として認識されなかったり、また認識されてもバッテリーが回復しなかったりすることも少なくない。しかし本製品は、最大45Wの出力に対応しており、スマホやタブレットはもちろんノートPCに至るまで、事実上デバイスを問わずに充電が可能だ。

 ちなみにパススルー充電を利用する場合、モバイルディスプレイ自体が一定の電力を消費するため、PCに給電されるのはUSB PD充電器の出力よりもワンランク下になる。具体的には、65Wの充電器をつないだ場合はPCに45Wが給電され、45Wの充電器をつないだ場合はPCには30Wが給電される。利用するUSB PD充電器は、なるべく出力が大きな製品をチョイスしよう。


外部のUSB PD充電器から本製品に給電しつつ(右奥)、本製品からノートPCを充電している状態

65W充電器に接続すると、本製品がいくらかの電力を消費するので、デバイスでは45Wの充電器として認識される

45W充電器に接続すると、本製品がいくらかの電力を消費するため、デバイスでは30Wの充電器として認識される

 最後に、ユーティリティーの「LG Switch」をチェックする。

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