東京ゲームショウで実際に試して納得! これからのゲームは「プロジェクター」で楽しむというベンキューの新提案:東京ゲームショウ2023
東京ゲームショウのベンキュージャパンブースでは「ZOWIE」「MOBIUZ」といったゲーミングブランドが目立つのだが、実はその約半分の面積を使って、BenQブランドの新型ゲーミングプロジェクターが展示されている。しかも、世界初公開だという。どんなものなのか、早速見てみよう。
9月24日まで幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催されている「東京ゲームショウ2023」では、2022年以上にPCゲーミング関連のブースが増えている。
さまざまな種類のディスプレイやプロジェクターを販売しているベンキュージャパンも、ゲーミングブランド「ZOWIE(ゾウィー)」「MOBIUZ(モビウズ)」を前面に押し出して、ディスプレイやマウスといったゲーミングアクセサリーを数多く出展している……のだが、そのブースの一角に「BenQ(ベンキュー)」ブランドで展開される新型ゲーミングプロジェクター「Xシリーズ」が展示されている。しかも、実機は世界初公開なのだという。
2023年秋~冬発売予定という新しいゲーミングプロジェクターはどのようなものなのか、早速チェックしてみよう。
ベンキュージャパン(MOBIUZ)ブースで“世界初公開”されたゲーミングプロジェクターの新製品。左からX3100i、X500i、X300Gで、いずれもBenQブランドで展開されるものの、ボディー正面やライティングのオレンジカラーで他のゲーミングブランドとの“つながり”を表現しているという
ブースの約半分はZOWIE/MOBIUZブランドのゲーミングデバイスの展示となっており、ディスプレイはもちろん、キーボードやマウスなども実際に触って試せる。筆者的には、マウスとマウスパッドの体験コーナーは特にお勧めしたい
BenQ Xシリーズの概要
Xシリーズは最大で4K(3840×2160ピクセル)出力に対応するハイエンドゲーミングプロジェクターである。投写方式はDLPで、最大リフレッシュレートは240Hz、応答速度(Grey to Grey)を8.3ミリ秒と、通常のエンターテインメント(パーソナル)向けプロジェクターよりもなめらかかつ高速な動作に対応することで、シビアな操作が求められるゲームでも快適にプレイできるようにしたという。
関係者によると、「大画面の液晶ディスプレイ(モニター)の代わりに、プロジェクターを導入してゲームを楽しむ人が増えた」ことが判明したことから、ゲーミングに振ったモデルの開発に踏み切ったようだ。
本シリーズは全モデルが「Android TV」を搭載するスマートプロジェクターでもあり、「Netflix」アプリを稼働するのに必要な要件も満たしている。インターネット環境さえあれば、付属のリモコンでNetflixを始めとするネット動画サービスを“単体で”再生可能だ。また、PCからゲームごとに最適化された色味設定を転送できる「SettingXChange」にも対応する。
その他、3モデルに共通するスペックは以下の通り。
- 最大解像度:4K
- リフレッシュレート
- フルHD(1920×1080ピクセル)表示:最大240Hz
- WQHD(2560×1440ピクセル)表示:最大120Hz
- 4K表示:最大60Hz
- 応答速度
- フルHD/240Hz時:4.2ミリ秒(最短)
- フルHD/120Hz時:8.3ミリ秒
- フルHD/60Hz時:16.7ミリ秒
- WQHD/120Hz時:8.3ミリ秒
- 4K/60Hz時:16.7ミリ秒
- 表示色:約10億7000万色
- コントラスト比:50万:1
- ゲーム特化の表示モード:あり(FPS、SPG、RPGの3種類)
本シリーズは、想定される設置形態や輝度に応じて3種類のモデルが展開される。
BenQ X300G:持ち運びを想定したモバイルモデル
「BenQ X300G」は家の中(部屋間の移動)や外出先への持ち運びを想定したモバイルモデルだ。キューブ型のスタイリッシュなボディーが特徴で、電源を外付けとすることでコンパクト化も図っている。サイズは約211(幅)×182(奥行き)×179(高さ)mmで、重量は約3kgだ。
光源は3LED方式で、明るさは2000ルーメン(ANSI規格、以下同)となる。色域は「Rec.709」規格を95%カバーしている。レンズは短焦点タイプを搭載しており、100型表示に必要な投影距離は1.53~1.84mと短めだ。台形補正は縦/横共に30度の自動回転式となっており、その速度は想像以上に高速だ。
ポート類はUSB端子、HDMI入力端子、USB Type-C端子を備える。USB Type-C端子は、DisplayPort Alternate Modeによる映像入力にも対応しているようだ。ポータブルモデルだからか、内蔵スピーカーは8W出力のものを2基搭載しており、他の2モデル(5W×2)と比べると大きめの音を出せるようになっている。
BenQ X500i:据え置き短焦点モデル
「BenQ X500i」は据え置きを想定した短焦点モデルだ。他の2モデルと比べると「ザ・プロジェクター」という形状になっている。ベンキュージャパンによると「リビングより若干狭い、ゲーム専用の部屋」で使うことを想定しているそうだ。サイズは約366(幅)×244(奥行き)×118(高さ)mmで、重量は約3.8kgだ。
BenQ X500iは据え置きの短焦点レンズモデルで、外観的には「プロジェクター」と聞いて想起するものに一番近い。ただし、筆者が取材した当時は実働する実機がなかったため、スペック面で不明な要素も一部あることをご容赦いただきたい
レンズの特性はX300Gとほぼ同じで100型表示に必要な投影距離は1.53~1.84mと短めだ。ただし、光源が4LEDとなり、明るさが2200ルーメンに引き上げられている。色域はRec.709規格を95%カバーしている。台形補正は縦方向は自動、横方向手動で行うようになっており、いずれも30度の範囲内で調整可能だ。
BenQ X3100i
「BenQ X3100i」は今回の新製品におけるフラグシップモデルで、「BenQ X3000i」の後継製品となる。据え置きゆえスペックに妥協したくない人向けのモデルで、「リビングに設置することを想定した」という。本体サイズは約272(幅)×259(高さ)×213(奥行き)mmで、重量は約6.8kgとなる。
100型サイズに必要な投写距離は2.54~3.32mと、先の2モデルと比べて焦点距離は長めとなっている。光源は4LEDで、輝度は最大3300ルーメンと、先代比で300ルーメン明るい。色域は「DCI-P3」規格を100%カバーしており、色の正確性という意味でもフラグシップらしさを保っている。台形補正は縦方向は自動、横方向手動で行うようになっており、いずれも30度の範囲内で調整可能だ。なお、20%のレンズシフトにも対応している。
加えて、本機では3モデルで共通する3種類のゲーム表示モードに加えて「RCG(レーシングゲーム)モード」が搭載されており、レーシングゲームでも最適な表示を行えるようになっている。
ポート類は、HDMI入力端子×2やUSB端子などを備えている。
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